群馬県前橋市では、4つの市立中学校で老朽化したトイレの大規模な改修工事が実施される予定です。施工時期は2024年夏休み期間を中心に設定されており、生徒のいないタイミングで工事を進める計画となっています。
対象となるのは、以下の4校です。
- 木瀬中学校(小屋原町1811-1)
- 南橘中学校(荒牧町975)
- 第一中学校(南町1-20-5)
- 第三中学校(平和町2-13-24)
2024年度予算で工事費を増額
今回の工事にかかる費用は、前橋市の2024年3月補正予算で約4億9,120万7,000円を増額。中学校校舎などの大規模改修費の一部として、トイレ改修にもこの予算が充てられます。各校の工事費は規模に応じて異なりますが、設計段階では1校あたり約6,000万円の工事費が見込まれています。
工事内容は共通仕様で統一感を重視
今回の工事では、4校すべてで以下の改修が行われる予定です:
- 古くなった給排水管や衛生器具の交換
- 照明設備や換気設備の更新
- トイレブースの新設または改修
- 床材・天井・壁など内装の全面リニューアル
たとえば、和式便器が多く残っていた箇所は洋式便器へと変更され、清潔で使いやすい空間へと変わります。
各校の詳細とスケジュール
【木瀬中学校】
- 構造:RC造3階建て(普通教室棟)、RC造4階建て(管理特別教室棟)
- 建築年:1979年・1980年
- 改修面積:普通教室棟および管理特別教室棟の未改修部分(82㎡)
- 工期:およそ7カ月
- 設計:田中設計(前橋市)
木瀬中では過去に大規模改修が一部実施されていますが、今回の工事で未対応だった箇所の洋式化やブースの整備が行われます。
【南橘中学校】
- 構造:RC造4階建て(特別・普通教室棟)
- 建築年:1974年
- 改修対象:2〜4階(90.8㎡)
- 工期:約5カ月
- 設計:須田建築計画工房(前橋市)
南橘中は、3フロアにまたがる改修となるため、安全性と施工効率を重視した工事が期待されます。
【第一中学校】
- 構造:RC造3階建て(普通教室棟)
- 建築年:1982年
- 改修面積:101㎡
- 工期:約5カ月
- 設計:かなで建築設計(前橋市)
比較的築年数の新しい第一中でも、老朽化したトイレ空間を一新する予定です。
【第三中学校】
- 構造:RC造4階建て(特別・普通教室棟)
- 建築年:1964年
- 改修面積:90㎡
- 工期:約5カ月
- 設計:かなで建築設計(前橋市)
築60年を迎える第三中学校では、最も歴史のある建物の一つとして、より丁寧な改修が求められます。
今後の予定と他校の動き
なお、2024年度に設計を完了した笂井小学校(笂井町1160)と芳賀中学校(鳥取町796)については、2025年度の工事は見送りとなり、2026年度以降の着工が見込まれています。
群馬の学校施設でも進むインフラの刷新
前橋市が行う今回の改修事業は、単なるトイレの更新ではなく、児童・生徒が安心して学べる教育環境を整える重要な取り組みです。群馬県全体でも、今後こうした施設改修がさらに進む可能性があります。建設業界にとっても、教育インフラの改善は注目すべきトピックの一つとなっています。