群馬・太田市|待矢場両堰土地改良区が2025年度の事業計画を発表 護岸改修や水門電動化など7件を予定

群馬 建設ニュース

群馬県太田市を中心に農地や水路の管理を行っている「待矢場両堰土地改良区」(通称:水土里ネットまちやば)は、2025年度に実施予定の主な事業内容を発表しました。
今年度は、地域の農業インフラを支えるために計7件の工事を実施予定で、水門の電気設備更新、水路周辺の防護柵設置、老朽化した護岸の改修などが盛り込まれています。

工事はすべて指名競争入札で発注され、7月ごろから順次進め、8月中旬までにはすべての入札を終える計画です。設計は、群馬県内の土地改良事業を多く手がける群馬県土地改良事業団体連合会(前橋市)が担当しました。

総工事費は約1億4200万円 3つの事業に予算を配分

待矢場両堰土地改良区は、今回の事業に対し、総額1億4200万円を当初予算として計上しています。

内訳は以下の通りです:

  • 土地改良施設維持管理適正化事業:7,800万円
    → 水門や設備の老朽化対応、効率的な維持管理が目的です。
  • 小規模農村整備事業:2,900万円
    → 小規模ながらも農業生産を支える基盤整備に使用。
  • 農業水路等長寿命化・防災減災事業:3,500万円
    → 自然災害に備えた施設の強化や長寿命化を進めます。

予定されている工事の内容

以下は、今年度に計画されている7つの工事の詳細です。


八瀬川揚水機場地区電気設備製作工事(太田市古戸町)

石田川揚水機場に設置されている高圧受変電設備(3面)制御盤(1面)の更新を実施。
前年度(2024年度)に製作を進めた機材を、2025年度に現地で設置・工事を行う予定です。

この揚水機場は、周辺の農地に安定的に水を供給する重要な役割を果たしており、設備の信頼性向上が求められていました。


太田樋地区ゲート整備工事(太田市上強戸町)

ウォッチマンゲート(2.0m×2.35m)の老朽化に対応する工事です。
ゲートの扉体・減速機・ワイヤーロープの交換
再塗装を行います。

長年の使用による摩耗やサビが進行しており、万一のトラブル防止と操作性の向上が目的です。


矢場川放水工地区ゲート整備工事(太田市只上町)

こちらも老朽化対策の一環で、スライドゲート(2.6m×1.65m)の整備が行われます。
制御盤と巻上機を新たに交換し、こちらも塗装を施して耐久性を向上
させます。


東金井下堰地区ゲート整備工事(太田市東金井町)

既設の手動水門(2.0m×0.5m)を、電動水門に変更します。
これにより、急な大雨の際でも遠隔または自動で水門を開閉
できるようになります。
豪雨災害への迅速な対応を可能とする、現代的な設備更新です。


大谷幹線地区防護柵改修工事(太田市東金井町)

水路の両側に設置された防護柵(延長520m)の老朽化が進んでおり、高さ1.2mの新しい柵に交換します。
一部では柵の破損も見られており、子どもの転落防止や農機の安全通行にも関わる重要な整備です。
今後も隣接区間に順次工事を拡大する予定です。


上野井支線地区法面保護工事(太田市新田村田町)

農業用水路の脇にある斜面(法面)が一部損傷していることから、コンクリートで475㎡の面積を補修し、延長95m分の防護柵を新設します。
法面の崩落は水路の機能にも影響を与えるため、安全性と機能維持を目的としています。


龍舞地区護岸改修工事(太田市龍舞町)

水路沿いで護岸の崩落が確認された110mの区間について、ブロック積みによる補強を行います。
将来的にも継続的な護岸整備を予定しており、農地の浸水リスクの低減につながります。


群馬の農業インフラを支える重要な取り組み

今回の一連の工事は、いずれも農業の安定運営や災害リスクの低減に直結する内容です。
群馬県太田市をはじめとした農村部では、施設の老朽化や気候変動への対応が課題となっており、こうした整備は地域全体の安心・安全を支えるものとなっています。

農業従事者にとっても、水門の電動化やゲートの更新によって管理負担が軽減されるなど、日常の作業にも良い影響を与えると期待されています。

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