群馬県の主要プロジェクトである上信自動車道。
この整備を進める「上信道事務所」の石坂幸喜所長に、事業の現状や今後の展望について伺いました。
石坂所長は、上信自動車道について次のように話します。
「この道路は、災害時にも機能する強靭なインフラを目指しています。特に吾妻地域では、防災機能の向上、物流の効率化、さらには観光振興など、地域の活性化に大きな期待が寄せられています」。
地域の声を背負いながら、「1日でも早い全線開通を目指して、職員一丸となって取り組んでいる」と、力強い意気込みを語ってくださいました。
さらに、近隣の八ッ場ダムについても言及。
「ダム周辺では観光施設の本格運用が始まっており、観光産業への貢献も大きくなっています。今後はさらなる集客力アップと安定した収益確保に向け、地域と連携した取り組みを強化していきたい」と、地域振興への強い意志を見せました。
嬬恋バイパス整備と今後の事業計画
2025年4月1日、嬬恋バイパスが新たに整備区間へと格上げされました。
これにより、現在整備中の吾妻東バイパス、吾妻東バイパス2期、長野原嬬恋バイパスを合わせると、群馬県が並行して進める区間は約33kmに及びます。
石坂所長は、「これだけ大規模な区間を管理するには、予算の確保と工程の着実な管理が非常に重要な課題」と説明。
「本年度は、着実に工事を進めるだけでなく、嬬恋バイパスのルート設定に向けた準備も進めます」と、今後の具体的な展望を語りました。
若手育成にも力|チーム力を育み、成長できる職場環境
上信道事務所では、目標が明確であることが組織力の源だといいます。
石坂所長は、若手職員に対して「目標達成に向かう中で、職員同士のコミュニケーションを大切にし、団結力を高めてほしい」と期待を寄せています。
また、「ここでは大規模なインフラ事業に携わることができるため、土木職員として必要な技術力や柔軟な対応力を実践的に学べる。成長するには絶好の環境」とも語り、若い世代へのエールを送ります。
所長自身の原点|四万川ダムでの経験
石坂所長にとって特に印象に残っているのは、若手時代に携わった四万川ダム建設事務所での経験です。
ここでは付け替え道路工事に携わり、「目標が明確だったため、事務所内に強い一体感があった」と振り返ります。
「上下関係にとらわれず、信頼関係を築けた経験は、今でも自分の大きな財産になっています」と語ってくださいました。
建設業界への感謝と期待
インタビューの終盤、石坂所長は群馬県内の建設業界に向けて、次のようにメッセージを送りました。
「上信自動車道をはじめ、社会インフラの整備・維持管理を通じて、地域の守り手として非常に重要な役割を果たしていただいていることに感謝しています。これからも土木行政を力強く進めるため、皆さんとスクラムを組んで歩み続けたい」と語り、業界全体への信頼と期待を示しました。
プライベートでは農作業も
休日の過ごし方を尋ねると、石坂所長は「趣味と言えるかはわかりませんが」と前置きしたうえで、農作業に打ち込んでいると教えてくれました。
「主に米作りをしています。天候や害虫への対応など、毎年状況が変わるため苦労も多いですが、やってみると意外に面白く、楽しみながら続けています」と、にこやかに語っていました。
自然と向き合いながら、変化に対応する姿勢は、日々の仕事にも通じるものがあるのかもしれません。
【まとめ】群馬の未来を支える「上信自動車道」の整備推進へ
群馬県の未来を支える「上信自動車道」の整備。
石坂所長率いる上信道事務所の一丸となった取り組みは、防災力の向上、観光振興、物流効率化と、さまざまな分野で地域に大きなインパクトを与えようとしています。
群馬県の建設ニュースとして、今後の動きにも注目が集まりそうです。