群馬県安中土木事務所の新しいリーダー、箱田所長にインタビューしました。
地域の未来を見据えた取り組みについて、熱い思いと具体的な計画を語っていただきました。
安心して暮らせる地域づくりを目指して
インタビュー冒頭、箱田所長は「安中地域の皆さまが安心して暮らせるよう、一つ一つの課題に誠実に向き合い、適切かつ迅速に対応していきたい」と語りました。
「困ったときに頼れる存在でありたい」という強い意志が伝わってきました。
安中地域の交通事情と今後の課題
箱田所長は前橋市から安中市に通勤しているそうですが、「距離の割に移動に時間がかかる」と感じているとのこと。
特に、高速道路ICへのアクセスや都市間移動の円滑化は、今後の地域発展に不可欠な課題としています。
今年度、群馬県が策定した「ぐんま・県土整備プラン2025」でも、「災害時にも機能する強靱な道路ネットワークの構築」が大きなテーマとなっています。
このプランの中核を担う事業のひとつが、西毛広域幹線道路の全線開通。
「西毛地域における経済活動や災害時の緊急輸送を支える、極めて重要なインフラ整備」と位置づけています。
例えば、豪雨による通行止めが発生しても、複数ルートが確保されていれば迅速な復旧が可能となります。
こうした面でも西毛広域幹線道路の重要性は非常に高いと言えるでしょう。
水害リスクへの備えも強化
また、気候変動によって増加している大雨災害への対策も重要です。
安中市を流れる一級河川・碓氷川については、河川改修工事を進め、水害リスクの軽減を図る予定です。
さらに、上信越自動車道や国道18号など、県境部の交通インフラが多く存在する安中地域では、災害時の緊急対応体制も重要なテーマです。
「国・NEXCO中日本・市町村・地元建設業者と、日頃から緊密な連携を取ることが必要不可欠」と強調しました。
今年度の重点事業
2025年度に向けて安中土木事務所が重点的に取り組む事業は次の2点です。
- 碓氷川の河川改修事業
- 西毛広域幹線道路の整備
特に、西毛広域幹線道路については「一部区間でも先行供用できるよう、工事を着実に進める」と意気込みを見せました。
早期の供用開始によって、地域の交通利便性向上と防災力強化の両立を目指します。
思い出深い過去の現場経験
これまでに携わった印象深いプロジェクトとして、東毛広域幹線道路(高崎玉村工区)と八ッ場バイパスの整備を挙げています。
高崎玉村工区では、高崎市内の約1.9km区間を担当。
工事開始から開通までわずか2年4か月というスピード感が求められる現場でした。
しかも、その最中に発生したのが2011年の東日本大震災。
被災地に1か月間派遣され、余震が続く中、現地で被害調査を行いながらも、高崎市内の工事進捗確認にも対応するという、非常にハードな日々を送ったそうです。
「開通式を迎えたときの達成感は今でも忘れられない」と、当時を振り返りました。
若手職員へのメッセージ
若手職員に向けては「ぜひ現場に積極的に足を運び、自ら学ぶ姿勢を大切にしてほしい」とエール。
また、技術の習得だけでなく「地域住民や関係機関との対話を重ねることで、より良い事業に繋がる」とアドバイスしています。
地元建設業界への呼びかけ
地元建設業界に対しては、「地域の安全・安心を守るためには、皆さまの高い技術力と豊富な経験が不可欠」とし、今後も連携を強めていきたいと述べました。
特に群馬県の建設業は、地域に密着した活動が多く、災害対応などでも即応力の高さが評価されています。
箱田所長も、こうした地元建設業者の力を頼りにしていることがうかがえました。
休日は野球でリフレッシュ
趣味は野球。
今でも休日には仲間と一緒にプレーを楽しんでいるそうです。
中学・高校時代の仲間たちと再び汗を流す時間は、「かけがえのない財産」だと話してくれました。
「野球を通じて出会った多くの人たちとのつながりが、今の自分を支えている」と笑顔で語った箱田所長。
地域の未来を担う責任と同時に、人との絆を大切にする温かい人柄が感じられるインタビューとなりました。