【建設ニュース|再エネ導入事例】TOPPANホールディングス、東北エリア4拠点でオフサイト型PPAを導入

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TOPPANホールディングス株式会社(以下、TOPPAN HD)は、再生可能エネルギーの活用を進める取り組みの一環として、東北地域の4つの事業所に「オフサイト型コーポレートPPA(電力購入契約)」サービスを導入しました。これは風力や水力といった自然エネルギーから生まれた電力を、契約に基づいて安定的に調達・利用する仕組みで、東北電力のサポートのもとで導入が実現しました。

今回の導入により、TOPPAN HDは年間およそ2,700万キロワット時(kWh)という大規模な電力量を、20年間にわたって再生可能エネルギーでまかないます。対象となる4つの事業所のうち、およそ25%の電力が再エネに切り替わる予定です。再エネの利用比率は、将来的にグループ全体で30年までに25%以上を目指すとしています。

電力の供給元は風力1カ所・水力2カ所の3施設

再エネ電力の供給元となるのは、以下の3カ所の発電施設です。

1. 新潟県新潟市の「海辺の森風力発電所」

  • 出力: 6,000kW
  • 運営: くろしお風力発電株式会社(HSEの子会社)
  • 年間発電量: 約1,300万kWh

海辺の森風力発電所は、新潟市北区の沿岸部に立地しており、風力を活用して大量の電力を生み出しています。この施設だけで全体の供給量の約半分をカバーします。

2. 岩手県一戸町の「大志田ダム水力発電所」

  • 出力: 810kW
  • 所有: 馬淵川沿岸土地改良区
  • 年間発電量: 約500万kWh

農業用水設備を活用したこの水力発電所は、地域の土地改良区が所有しており、持続可能な地元密着型の発電が特徴です。

3. 福島県郡山市の「安積疎水管理用水力発電所」

  • 出力: 2,230kW
  • 所有: 安積疎水土地改良区
  • 年間発電量: 約1,000万kWh

こちらも農業用水を活かした施設で、東北地域における水のインフラと再エネをうまく融合させた事例です。

オフサイト型PPAとは? 建設業界で注目される理由

「オフサイト型PPA」とは、発電所と消費地が離れていても、契約によって電力を長期的に購入できる仕組みです。工場やオフィスビルなどの電力需要が多い施設にとっては、電力コストの安定化だけでなく、CO₂排出削減による環境価値の向上にもつながるため、建設業界でも関心が高まっています。

特に、近年は建設会社や関連企業が脱炭素やSDGsの観点から、施工現場や本社ビルへの再エネ導入を検討するケースが増えています。TOPPAN HDのように、大規模にオフサイト型PPAを導入する事例は、今後の建設業界における新しい電力調達モデルの参考になるでしょう。

東北電力も再エネ導入を後押し

今回のプロジェクトでは、東北電力が電力の契約や調達をサポート。企業の再エネ活用や脱炭素に対するニーズに応えながら、グリーン電力の提案も積極的に行っています。地域に根ざしたエネルギー供給体制を整えることで、カーボンニュートラル社会の実現にも大きく貢献しています。

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