東京高速道路「KK線」が新たな観光拠点に生まれ変わる!再生プロジェクト始動

全国 建設ニュース

歩行者空間へ大胆リニューアル、共創によるまちづくりが本格始動

東京都心の銀座エリアを囲むように走っていた東京高速道路、通称「KK線」が、新たな観光名所へと生まれ変わります。老朽化や都市機能の変化を背景に、この約2キロの高架道路が2024年4月5日をもって自動車専用道路としての役割を終え、再生プロジェクト「Roof Park Project(ルーフ・パーク・プロジェクト)」が始動しました。

このプロジェクトは、東京高速道路株式会社を中心に、三菱地所や三菱地所設計、建築家やアートディレクターなど、多彩な専門家が連携。さらには地元企業や住民、行政などの声も取り入れながら、「世界から注目される新たな観光拠点」を目指して進められています。

KK線はどんな道路だった?

KK線とは、首都高速の一部と間違われがちですが、実は民間企業の東京高速道路株式会社が管理してきた道路。銀座エリアを囲むように走る全長約2キロの高架道路で、かつては都心の交通を支える重要なインフラでした。

しかし、首都高速の日本橋区間が地下化される計画に伴い、KK線の交通インフラとしての重要性が低下。こうした背景から、今後は歩行者が主役となる「人のための空間」へと再構築されることになりました。

まちづくりは“共創”で進行!透明性の高いプロジェクトに

KK線の再生において大きな特徴となっているのが、「共創プラットフォーム」の存在です。これは、建築・都市計画の専門家だけでなく、地元の住民や企業、行政も加わり、意見交換を重ねながらまちづくりを進めていく仕組みです。

単なるインフラ整備ではなく、関係者全員がアイデアを出し合い、共に価値ある空間をつくっていくというスタイル。たとえば、再生空間の一部にはカフェやアート展示スペース、散策路などが設けられる構想もあり、訪れる人々にとって魅力的なエリアとなることが期待されています。

未来を見据えた整備スケジュール

この再生プロジェクトの完成は2030~2040年代を予定。長期的な視野で、段階的に整備と活用が進められていきます。整備にあたっては、「共創的公共空間」というコンセプトを重視し、東京都と東京高速道路会社が連携。都市の上空空間と地上空間をつなぐ、新しい都市体験を創出します。

歩行者空間の第一歩「KK線リボーンセレモニー」も開催

プロジェクトのスタートを記念して、4月18日には「KK線リボーンセレモニー」が開催されました。有楽町駅近くのKK線上で行われた式典では、かつてこの道を走っていたさまざまな車種の車が登場し、過去から未来への橋渡しを象徴しました。

東京高速道路の加藤浩社長は「非常に公共性の高い事業。透明性のあるプロセスで進め、多くの方に愛される空間をつくりたい」と述べ、東京都の小池百合子知事も「多くの人と共に、この空間の可能性を花開かせたい」と語りました。

建設業界にとっても注目のプロジェクト

今回のKK線再生は、建設業界にとっても大きな注目を集めています。高架道路という特殊な空間をどう再利用するか、老朽化インフラの再生モデルとして全国への波及も見込まれます。また、「都市の余白」を活用するという考え方は、今後の都市設計に新たな方向性をもたらすかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました