東京エリアのアスファルト合材工場で、「土日を原則休業にする」動きが広がっています。これは、建設業界全体で求められている働き方改革の一環として注目されている取り組みです。
■ 以前は土日も稼働していた合材工場
アスファルト合材とは、道路の舗装などに使われる材料のこと。これを製造する工場では、以前は土日もスタッフが待機し、急な注文(飛び込み注文)にも対応していました。たとえば「明日、急きょ舗装工事をすることになった」というようなケースにも応えられる体制が求められていたのです。
しかしこの体制は、働く人たちにとっては休みが取りづらく、負担の大きい状況でした。
■ 2024年度から「土日閉所」が原則に
日本アスファルト合材協会(日合協)の方針により、2024年度からは「土日は原則休業にする」という方向で運営が進められています。
具体的には、東京地区の29工場が対象となり、
- 日曜日はすべて休業
- 第2・第4土曜日も原則出荷不可
- 第1・第3土曜日は完全予約制での出荷のみ対応
といったルールが設定されました。
こうした運用により、2024年度の土曜日の平均閉所率は前期(4月~9月)が30.2%、後期(10月~翌年3月)は36.8%まで向上。日曜日の閉所率も63.2%から71.4%へと改善しています。
■ それでも完全休業が難しい理由とは?
とはいえ、すべての工場が完全に土日休業を達成できているわけではありません。
閉所できなかった理由としては、
- 「その他の出荷」が48.9%
- 「顧客からの要請による出荷」が40.5%
- 「社内工事への出荷」が10.7%
という結果が出ています。
特に、大口の注文や平日にできない舗装工事があると、どうしても工場を稼働させなければならないという声も根強いようです。
■ 今後の方針と期待
日合協では、こうした事情を踏まえつつも、緊急工事を除いては土日は原則休業とする方針を継続する考えです。すでに各工場のホームページなどで休業方針を周知しており、「完全予約制の日は予約がない場合は出荷しない」というルールも徹底されつつあります。
この取り組みにより、建設業界においても「週末はしっかり休む」という意識が少しずつ定着してきており、今後さらに広がっていくことが期待されています。