【建設ニュース】三機工業が創立100周年へ――石田社長が語るこれまでの歩みと未来への挑戦

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三機工業株式会社が、2025年4月22日に創立100周年を迎えます。大正時代にたった12人でスタートした同社は、いまやビル空調や産業用設備など多岐にわたる分野を手掛ける、日本の建設業界を代表する企業の一つへと成長しました。

100年という節目に立つ三機工業。代表取締役社長の石田博一氏に、これまでの歩みと今後の展望について伺いました。


■ 1925年創立、復興とともに歩んだスタート

三機工業の原点は、1925年に三井物産の機械部門を中心に設立されたことにあります。設立当初の社員数はわずか12名。初の大きなプロジェクトは、現在の東レである東洋レーヨン滋賀工場の建設工事であり、ここから産業用空調設備の道を切り拓きました。

当時は、1923年の関東大震災からの復興が進み、東京では近代的なビル建築が盛んになっていった時代。三機工業は、その成長を設備工事の面から支えた企業の一つでした。


■ 空調・衛生・搬送まで、広がる事業領域

時代のニーズに応じて、三機工業は多角化を進めていきます。戦後の高度経済成長期には、日本を代表する超高層ビルの空調設備工事にも数多く関わり、事業規模は急速に拡大しました。

現在、同社が手掛けるのは以下のような8つの主要事業です:

  • ビル空調・衛生設備
  • 産業空調設備
  • 環境システム(排水処理・廃棄物処理)
  • 搬送・物流の機械システム
  • ファシリティマネジメント
  • リニューアル工事
  • 国際事業
  • 研究・開発

石田社長は、「多様な事業展開は、創業初期からの“挑戦”の精神が原動力になっている」と語ります。


■ 100年を超えていくための変化と継続

石田社長は、「変わらないもの」として、創業当時から受け継がれてきた社是『忠実・勤勉・奉仕』を挙げました。社員一人ひとりの誠実な姿勢と努力が、100年の礎となったと語ります。

一方で、これからの建設業にはデジタル化・自動化・省人化など、新たな課題も山積しています。三機工業は、これらの課題に前向きに挑戦し、付加価値の高い事業展開生産性の向上を両立させていく構えです。


■ 次の一歩へ――新たな中期経営計画と「地球MIRAIプロジェクト」

2025年5月には、三機工業の新しい中期経営計画が発表される予定です。その方向性について、石田社長は次のように述べています。

「スローガンは『人に快適を。地球に最適を。』。ビル空調にとどまらず、物流機械や環境分野など社会インフラ全体に貢献する企業を目指します」

また、社内では新しいアイデアを募る「地球MIRAIプロジェクト」を実施。約200件の提案が寄せられ、社員の創造力を生かす風土づくりが進められています。


■ 「まいた種」を育てていく企業へ

石田社長が特に大切にしている言葉が、「皆がまいた種に水や肥料を与えて、育てていく」というフレーズです。社員一人ひとりのアイデアや努力を大切にし、それを企業全体で育てていく――そんな持続可能な組織文化の構築を目指しています。

100周年はあくまで通過点。石田社長のビジョンには、社員とともに次の100年へと続く成長の種をまく覚悟が感じられました。

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