【建設ニュース・最近の話題】虎ノ門ヒルズに新たな拠点「グラスロック」誕生|森ビルが共創型施設を公開

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東京都港区の再開発エリア「虎ノ門ヒルズ」に、森ビルが手がける新しい施設「グラスロック」が誕生しました。2025年4月9日に正式オープンを控え、同7日に報道関係者向けの内覧会が開催され、施設の全貌が明らかになりました。

この施設は、地上4階・地下3階建て、延べ床面積約8,800㎡の規模を持ち、虎ノ門ヒルズ森タワーとステーションタワーの中間に位置します。地下鉄・東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」とも直結しており、アクセスの良さも魅力の一つです。

◆「グラスロック」とは? 社会課題に取り組む“共創の場”

「グラスロック」は、建物の名称であると同時に、内部に設けられた共創プラットフォームの名称でもあります。この共創スペースでは、企業、行政機関、研究者、NPO・NGO、さらには個人まで、立場や業種を超えて協力し合う「社会課題解決の拠点」としての役割が期待されています。

日本が直面する少子高齢化や気候変動、地域格差といったさまざまな課題に対し、「1社・1組織だけでは解決が難しい」という視点から、共にアイデアを出し合い、具体的なアクションにつなげていくことが目標です。

施設内には以下のような設備が設けられています:

  • コワーキングスペース
  • ラウンジ
  • キッチン
  • ギャラリー(地下1階)

特にギャラリーは、各団体の活動やプロジェクトを社会に向けて発信するための場として設けられており、訪れる人にとっても学びや発見のある空間になることが想定されています。

◆セクターを越えた連携を支援する取り組みも

「グラスロック」では、ただ場所を貸すだけでなく、外部から招いたコーディネーターがコミュニティの活性化を支援する仕組みも導入されています。初期段階では100社・1,000人規模の利用者を目指しており、イベントやワークショップなどの開催も視野に入れています。

たとえば、環境問題に取り組むベンチャー企業と、行政の担当者、地域住民が協力してプラスチック削減のプロジェクトを立ち上げるといった、「多様な視点からの共創」が生まれる環境が整えられているのが特長です。

◆商業施設としての魅力も兼ね備える

グラスロックは、社会課題への取り組みだけでなく、商業施設としての機能も充実しています。

  • 地上2・3階には、丸善ジュンク堂書店による新業態店舗「magma books(マグマブックス)」が出店。
  • 地下2階〜地上2階には、飲食店や物販店舗が入り、ビジネスパーソンや来街者の日常利用にも便利です。

オフィス街の中心に位置しながらも、気軽に立ち寄れる「まちの拠点」として、働く人・訪れる人双方にとって親しみやすい施設となりそうです。

◆設計・施工にも注目

デザインは、世界的に著名な建築設計事務所「OMA(Office for Metropolitan Architecture)」が担当。基本設計と実施設計は森ビル自身が手がけ、施工は鹿島建設、きんでん、三建設備工業、日立ビルシステムが共同で担当しました。

東京都心での先進的な都市開発の一例として、今後多くの注目を集めることが予想されます。


【まとめ】

「グラスロック」は、単なる建築物ではなく、“共創”をテーマに掲げた新しい都市の機能拠点として誕生しました。建設業界においても、社会課題にどう向き合うかが問われる今、このような施設の存在は大きなヒントとなりそうです。

今後の展開にも注目したい最新の建設ニュースです。

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