中日本高速道路が建設現場のDXを加速!イノベーション交流会から3つの技術が実用段階に移行

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中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)は、2019年から取り組んでいる「イノベーション交流会」での技術実証の中から、3つのプロジェクトについて実用化の段階に進めることを決定しました。今回移行するのは以下の3件です:

  • 規制作業現場監視の高度遠隔運用プラットフォーム構築
  • 防護柵支柱点検の効率化
  • センシングカーによる撮影データの精度検証

この取り組みは、中日本高速道路が抱える業務の課題を、民間企業や研究機関などとの連携を通じて技術的に解決していくというもの。将来の人手不足や安全性向上を見据えた非常に意欲的な試みです。以下、それぞれの取り組みを詳しく見ていきましょう。


① 遠隔監視で現場の無人化を目指す:自律ロボットによる現場監視

「規制作業現場監視における高度遠隔運用プラットフォーム構築」では、道路工事の際に設置される規制機材(コーンやバリケードなど)を監視する作業を、将来的には無人化・自動化することを目指しています。

具体的には、3Dマップ機能を搭載した自律走行ロボットを使って、規制材の転倒や異常を発見し、さらにロボットのアームを使って元の位置に戻すという作業も可能であることが確認されました。これにより、監視業務の負担軽減や人的ミスの防止が期待されています。

このシステムには、沖電気工業(OKI)の先進技術が活用されています。


② 防護柵支柱の点検をAIで効率化:腐食の早期発見にも

「防護柵支柱点検の効率化検討」では、道路脇に設置されたガードレールの支柱が錆びていないかを、走行中の車両が撮影した映像からAIを使って自動的に検出する技術が使われました。

実際の検証では、草に隠れて撮影できなかった5本を除いた135本の支柱すべてにおいて錆の有無を検出。しかも、錆の場所もほぼ正確に特定できたとのことで、これまで人手で行っていた点検業務が大幅に効率化される可能性があります。

この技術には、ケー・エフ・シー、イクシス、そして凸版印刷(TOPPAN)といった企業のAIおよび画像解析技術が活用されています。


③ センシングカーの撮影データ精度向上:目視点検からの脱却

「センシングカー撮影データの精度検証」では、道路の巡回点検において、これまで主流だった目視による点検から脱却し、複数のカメラを搭載した車両で撮影したデータをもとに点検を行う手法を検証しています。

ただし、複数のカメラを使う場合、位置情報の誤差が生じる課題がありました。今回の実証では、カメラ間の位置情報を自動的に同期できる新技術を搭載した車両で高速道路を走行し、トンネル内とその出口付近を除いて非常に高精度な位置情報の取得が可能であることを確認しました。

この先進技術はナカシャクリエイテブが提供しています。


イノベーション交流会とは?

中日本高速道路が2019年7月に設立した「イノベーション交流会」は、民間企業や大学、研究機関など133の団体が参加しているオープンイノベーション型の取り組みです。NEXCO中日本が抱える現場の課題に対し、参加企業が持つ先端技術を掛け合わせることで、実用性のあるソリューションを生み出すことを目的としています。

この交流会では定期的に技術提案の募集や実証実験が行われており、今回の3件もその中から選ばれた成果です。


オンライン説明会を開催予定

この「イノベーション交流会」に新たに参加を希望する企業・団体に向けて、4月16日(火)14時~16時にオンラインでの説明会が開催されます。興味のある方は4月15日(月)までに申し込みが必要です。高速道路の未来を支える技術に携わりたい企業にとっては、絶好のチャンスとなるでしょう。


まとめ

今回のニュースは、「建設 最近」「建設 ニュース」といったキーワードで注目されるであろう、業界の最新動向の一つです。中日本高速道路によるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は、今後の建設現場やインフラ維持の在り方を大きく変える可能性を秘めています。今後もこのような技術開発に注目していく価値がありそうです。

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