神戸市は、2030年代半ばに向けて、「神戸ウォーターフロントグランドデザイン」の策定を進めています。このプロジェクトは、神戸空港の国際化など、今後訪れる社会的な変化を見据えたものです。目指すのは、神戸のウォーターフロント地区(中央区)の魅力を引き出し、国内外の来訪者を惹きつける都市づくりです。
このデザインでは、移動手段の多様化、緑豊かなオープンスペースの拡充、夜景を活かしたナイトタイムエコノミーの促進、さらには民間投資による街づくりの活性化といった4つの戦略分野に注力しています。
ウォーターフロント地区の大規模開発計画
神戸市は、ウォーターフロント地区を3つのエリアに分けて、異なる特徴を活かした開発を進める計画です。
中突堤周辺: 港街の魅力を再発見
中突堤周辺は、神戸の象徴的な場所であるポートタワーやメリケンパークの近くに位置しています。このエリアは「港街を感じるエンターテインメント空間」として再整備されます。中突堤中央ビルなどの誘客施設が新たに整備され、ウォーカブル空間が形成される予定です。このエリアは、観光客が歩いて楽しむことができる活気あふれる街へと変貌します。
京橋: みんなが集まる緑豊かな場所に
京橋エリアでは、船だまりの一部を埋め立てて緑地を整備し、さらに賑やかな施設を誘致する予定です。新たに整備された水辺のプロムナードでは、次世代型のLRT(次世代型路面電車)が走る計画も進行中。これにより、地域の回遊性が向上し、旧居留地エリアとの連携が強化されることが期待されます。
新港突堤西: 水辺の上質な空間を提供
新港突堤西では、マリーナを誘致して水際の上質な親水空間を形成する予定です。再開発の一環として、宿泊施設や商業機能が新たに導入されるほか、歴史的な倉庫などの建物を活用して、魅力的な拠点づくりが進められます。これにより、観光客や地元住民が集まる場所として、さらなる活気が生まれるでしょう。
目指すのは「海・山・空を感じられる街」
この「神戸ウォーターフロントグランドデザイン」の全体コンセプトは、「海・山・空を感じられる海辺空間で、港の歴史と新たな価値が交わり、国内外の来訪者を魅了する街」です。神戸のウォーターフロントエリアは、これからさらに進化を遂げ、住民や観光客にとって魅力的な場所となることが期待されています。