下請法改正案が衆院通過/建設業界の適正取引へ向けた新たな連携

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政府が提出した「下請法・下請振興法」の改正案が、2025年4月24日に衆院本会議で可決され、参院に送付されました。この改正案は、特に中小企業の賃上げに繋がる原資確保を目指したもので、2026年の春闘に向けての重要な一歩として注目されています。今回はこの改正案の内容と、それが建設業に与える影響について詳しく解説します。

下請法改正の主なポイント

下請法改正案の主な変更点は、以下のような内容です。

  1. 価格協議の義務化と一方的決定の禁止
    下請業者との取引で価格協議を適切に行わず、一方的に代金額を決定することを禁じることが明確化されました。これにより、下請業者が不利益を被らないようにするための保護が強化されます。
  2. 協議に応じない企業への対応
    下請業者から価格や契約条件について協議を求められた場合、その要求に応じない企業は指導対象となります。これにより、取引の透明性が確保されることが期待されています。
  3. 不適切な支払い手段の禁止
    手形やファクタリングなどの不適切な支払い手段の利用が禁止されます。代金の支払いは、現金化が確実な方法で行う必要があり、企業の健全な運営が求められます。

建設業界への影響と連携の重要性

建設業界では、これまで下請法が適用される取引と適用外の取引が混在していましたが、改正案では下請法と建設業法を有機的に連携させることが強調されています。

古谷一之公正取引委員会委員長は、「それぞれの法律を有機的に連携して運用していく体制を取っていきたい」と述べ、今後、両法が連携して建設業界の取引適正化に取り組むことが示唆されました。

例えば、建設業者が工事の一部を他の企業に委託する際には、下請法が適用されることもあります。これにより、設計図作成や資材の製造を下請けに出す際に、適切な協議と支払いの確保が求められます。建設業者の業務がより透明で公平なものになることが期待されています。

具体例:建設業者の除雪作業での適用

また、建設業者が行う除雪作業についても、改正案の適用範囲が広がる可能性があります。発注者から委託を受けた企業が、作業の一部を建設業者に委託する場合、これも下請法が適用されるケースとなり、適正な取引を促進することが目指されています。

まとめ:建設業界の未来に向けた重要な一歩

下請法改正案は、建設業界にとって重要な意味を持つ法改正です。建設業者と下請業者の間での不公平な取引を防ぎ、透明性を高めるための新たな仕組みが導入されることになります。今後、両法が連携して運用されることで、建設業界全体の健全な発展が期待されます。

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