2025年度、群馬県の県土整備部に2年ぶりの配属となった中川技監。これまで数々の現場を経験してきた中川氏が、再び県のインフラ整備を担う重要なポジションに就任しました。群馬県内の建設業界においても注目されるこの人事。中川氏が描くビジョンや思いを伺いました。
宮前部長の補佐役として、チーム全体の潤滑油に
本年度から本格始動する「県土整備プラン2025」。群馬の未来を支えるインフラ計画を強力に推進するこのプランにおいて、中川技監は「自分の役割をしっかりと果たし、組織の風通しをよくする存在になりたい」と語ります。
「部内の所属長との連携が何よりも大切になる」とも話しており、チーム全体が一丸となって取り組める環境づくりを目指しているとのこと。宮前部長と連携しながら、部内の意見が交わしやすい柔軟な空気をつくることで、より実効性の高い取り組みが可能になると期待されています。
忘れられない太田桐生インター整備の現場
中川氏にとって思い出深い現場のひとつが、太田桐生インターチェンジの整備事業。開通が迫る中、なんと17本もの工事を同時に進めるという過密スケジュールを乗り越えた経験は、今も忘れられないと語ります。
「現場にいると、そのときの空気、匂いまでよみがえる」と話すように、単なる工事ではなく、地域の未来を形にする責任とやりがいを感じていたことが伝わってきます。県庁勤務の半分を地域機関で過ごしてきた中川氏は、「どの現場も挑戦の連続で、すべてがエキサイティングだった」と振り返ります。
若手職員へのメッセージ「現場・地域・柔軟性を大切に」
若手の職員に向けて、中川氏は3つのキーワードを挙げました。それが「現場を知ること」「地域に寄り添うこと」「柔軟な発想を持つこと」です。
「図面の上だけで完結する仕事ではない。現場に足を運び、地域の声に耳を傾けてこそ、本当に解決すべき課題が見えてくる」とし、技術革新やデジタル化が進む今だからこそ、柔軟な視点が求められると強調。
また「仲間と共に地域の未来をつくるという誇りを持ってほしい」とエールを送りつつ、「自分もそんな若手たちの背中をそっと押してあげられる存在になりたい」と温かく語りました。
趣味は合唱と低山歩き。30年以上続く“人生の両輪”
多忙な業務の一方で、プライベートでは趣味も大切にしている中川氏。毎週土曜には男声合唱団の練習に参加し、その活動歴は30年以上。「仕事と趣味は切り離すものではなく、むしろ両輪。一体となって人生を豊かにしてくれる」と語ります。
特に、満席のホールに合唱の響きが広がる瞬間には「何ものにも代えがたい達成感がある」と笑顔に。また、趣味の山歩きについては「最近は熊の出没頻度が上がっていて少し控えています」と、ユーモアを交えて話してくれました。
群馬の建設業界への敬意と連携の姿勢
最後に、群馬県内でインフラ整備に尽力する建設業者に向けて、「地域の安心・安全を支えてくれている皆さんに、心から敬意を表したい」とコメント。
特に災害時の迅速な対応や復旧活動に対しては、「地域の守り手として、なくてはならない存在」と話し、「発注者という立場を超えて、同じ未来をつくる仲間として、今後も対話と連携を大切にしたい」と語りました。
中川技監の言葉の一つひとつから、群馬の未来を本気で考える強い思いと、建設業界への温かいまなざしが感じられます。群馬で建設に携わるすべての人にとって、心に残るインタビューとなりました。