【建設ニュース・最新動向】冷凍食品需要の高まりで倉庫建設が活発化、東急不動産が新たに5件の施設整備を推進

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東急不動産株式会社は、全国で冷凍冷蔵倉庫の開発を加速させています。背景には、共働き家庭の増加やネットスーパーの普及、さらにふるさと納税制度の利用拡大などによって、冷凍食品の需要が年々増加していることがあります。
また、既存の冷凍設備では対応しきれない老朽化やフロンガス規制の影響もあり、新しい施設への建て替えニーズが高まっていることも追い風となっています。

実際に、東急不動産が開発を進めている冷凍冷蔵施設の中には、竣工前の段階でテナントが満床となるほどの人気物件も出てきており、今後もさらなる需要の伸びが予測されています。

今回の発表内容:新規参画2件、着工済み3件

東急不動産は2025年4月1日、新たに以下の2つの事業への参画と、3件の施設の着工を発表しました。

【新たに参画したプロジェクト】

  • 【仮称】LOGI’Q広島(広島県広島市)
  • 【仮称】柏冷凍冷蔵倉庫開発プロジェクト(千葉県柏市)

【すでに着工した施設】

  • LOGI FLAG TECH名古屋みなとI(愛知県名古屋市)
  • LOGI FLAG TECH大阪南港I(大阪府大阪市)
  • 【仮称】CBRE IM-LOGI’Q新子安(神奈川県横浜市)

これらの施設には、自家消費型の太陽光パネルの導入も進められており、テナント企業の環境経営(エコ経営)を後押しする体制も整えられています。


各プロジェクトの詳細

それぞれの開発計画について、以下のように規模やスケジュールが発表されています。

【仮称】LOGI’Q広島(広島市中区江波沖町)

  • 敷地面積:約31,020㎡
  • 延べ床面積:約78,118㎡
  • 工期:2026年5月~2028年1月

【仮称】柏冷凍冷蔵倉庫開発プロジェクト(千葉県柏市新十余二)

  • 敷地面積:約5,965㎡
  • 延べ床面積:約12,382㎡
  • 工期:2025~2027年度予定

LOGI FLAG TECH 名古屋みなとI(名古屋市港区)

  • 敷地面積:約7,083㎡
  • 延べ床面積:約21,601㎡
  • 工期:2025年1月~2026年5月

LOGI FLAG TECH 大阪南港I(大阪市住之江区)

  • 敷地面積:約17,355㎡
  • 延べ床面積:約25,247㎡
  • 工期:2025年3月~2027年10月

【仮称】CBRE IM-LOGI’Q新子安(横浜市神奈川区)

  • 敷地面積:約38,733㎡
  • 延べ床面積:約97,007㎡
  • 工期:2025年3月~2027年1月

冷凍食品市場の拡大が建設需要を後押し

日本冷凍食品協会の調査によると、日本国内の冷凍食品消費量は2000年以降、年平均1.1%のペースで着実に増加。2000年時点で約237万トンだった消費量は、2023年には約288万トンにまで増えています。

このような市場の成長を受け、物流インフラとしての冷凍冷蔵倉庫の整備は、今後も建設業界にとって重要なトピックとなりそうです。特に省エネ性能や環境対応も求められる中で、東急不動産のようなデベロッパーが再生可能エネルギーを活用した施設開発に注力している点は、他企業にも影響を与える可能性があります。


建設業界の視点から見る今後の注目ポイント

冷凍冷蔵倉庫は、かつては特定用途に限られたニッチな建物というイメージがありましたが、現在ではネット通販、食品流通、小売業など多分野からのニーズが高まっており、建設分野における“成長市場”のひとつといえます。

工期が比較的長く、大規模な施設が多いため、企画段階からの設計力や環境性能への対応、テナントとの早期マッチングなど、建設プロジェクトとしての複雑性も高まっています。今後は、環境配慮型の設計ノウハウを持つ施工会社や設備業者の重要性も増していくと考えられます。

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