2024年3月30日、福岡県を東西に横断する国道201号「八木山バイパス」の一部区間が4車線に拡張され、新たに供用が開始されました。今回4車線化されたのは、篠栗インターチェンジ(IC)から筑穂ICまでの約5.7km区間。このバイパスは、九州地方整備局と西日本高速道路株式会社が共同で進めている大型プロジェクトの一環で、長年の懸案だった交通渋滞や安全性の課題を解決するための取り組みです。
建設ニュースとして注目の開通式には130人が参加
開通に先立ち、3月29日には開通式典が行われました。会場は新たに設置された「篠栗本線料金所」付近で、地元自治体の代表や国会議員など、約130人が出席しました。開通式では、国土交通省の山本巧 道路局長が「全体の半分とはいえ、大きな前進。関係者の尽力に感謝しつつ、今後も全力で工事を進めていく」とコメント。さらに、地元の飯塚市長や篠栗町長からも、地域経済への好影響や安全性向上への期待の声が寄せられました。
一度無料になった道路が再び有料化に—全国初のケース
今回の開通と同時に、筑穂ICから穂波東ICまでの全線13.3kmが有料化されました。これは、4車線化に必要な事業費の一部を償還するための措置です。実はこの八木山バイパス、もともとは1985年に旧日本道路公団の有料道路として開通。その後、2014年に国の管理に移り、無料で利用できるようになっていました。
しかし、無料化に伴って交通量が約2倍に増加。慢性的な渋滞や事故のリスクが問題視されるようになり、国と西日本高速道路がタッグを組んで4車線化工事に踏み切りました。一度無料になった道路が、再び有料化されるのは全国でも初のケースとのことです。
4車線化による地域への影響は?
飯塚市の武井政一市長によれば、4車線化が決定してからというもの、周辺には商業施設や企業の進出が相次いでいるとのこと。道路整備が地域経済に直接的な影響を与えていることがうかがえます。また、篠栗町の三浦正町長は、「4車線になることで事故の際にも早期に通行を再開でき、安全性が大きく高まる」とコメントしました。
今後のスケジュールと全線完成の見通し
八木山バイパス全体の4車線化事業には、総額465億円もの予算が投じられています。今回の開通区間は全体のおよそ半分にあたる部分で、残る区間、筑穂ICから穂波東ICまでの7.6kmについては、2029年度中の完成を目指して工事が進められています。
なお、今回の有料化による事業費の償還期間は、今から約25年後の「2050年9月30日」までとされています。
まとめ:地域とともに進む「建設の現在地」
今回の八木山バイパス4車線化は、単なる道路整備にとどまらず、交通の利便性向上、地域経済の活性化、安全対策など、多くの分野に波及効果をもたらすプロジェクトです。
「建設 最近」「建設 ニュース」といった観点からも注目の動きであり、今後も進捗を追っていく価値のある話題といえるでしょう。