【建設ニュース】北九州市の都市計画道路「戸畑枝光線」2期区間が2025年度内に着工へ|完成は2033年度を予定

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北九州市で新たな都市インフラ整備が進んでいます。市が計画する都市計画道路「戸畑枝光線」のうち、戸畑区から牧山間(約1.7km)を結ぶ2期区間の建設工事が、2025年度内に着手される予定です。

この道路は、交通渋滞の緩和や地域間のアクセス向上を目的とした大規模プロジェクトであり、すでに2024年3月に開通した1期区間(牧山〜枝光間・約2.7km)に続く整備となります。


トンネル工事がメイン、明治町アンダーパス下を推進工法で施工

2期区間では、全体の約1.7kmのうち、およそ840mがトンネル区間となります。
このトンネル工事は、最も深い地点である「明治町アンダーパス」下の深さ約30mから着手される予定です。施工には、地中を掘り進む「推進工法」という工事方法が採用される見込みです。

ただし、現時点(2025年4月)では、入札方式や公告時期についてはまだ公表されていません。


予算は10億円超、今後のトンネル工事にも巨額の予算措置

2025年度の一般会計当初予算には、工事の準備段階にあたる用地買収や測量、調査費として10億6,100万円が計上されています。
さらに、トンネル本体工事の進行に備え、2026~2028年度までの3年間で最大74億円を支出可能とする債務負担行為も設定されました。


完成予定は2033年度、総事業費は458億円規模に

2期区間のうちトンネル以外の部分は土工(地面を掘削・盛土する工事)で対応する計画です。
トンネルのうち、約810mは「開削工法(地表から掘って覆う工法)」で進められ、難所とされる部分も技術的に丁寧に対応していきます。

事業全体の総費用は約458億円と見込まれており、2025年3月時点での進捗率は10%未満。事業の完成は2033年度を目指す長期プロジェクトです。


有料道路として整備、インターチェンジや制御施設も充実

この都市計画道路は、福岡北九州高速道路公社が手がける有料道路事業と、北九州市が行う街路事業(一般道路整備)を一体で進める方式が採用されています。
街路部は4車線で整備され、交通の流れが大幅にスムーズになることが期待されています。

有料道路部では、料金所の整備や交通管制システムなどに約90億円が投じられる予定。
また、戸畑区川代には若戸ジャンクション(JCT)を、牧山海岸と八幡東区東田にはそれぞれ出入り口(インターチェンジ)が整備されます。

さらに、北九州都市高速道路の2号線および5号線との接続も行われ、2号線側は約0.3km、5号線側は約0.5kmの整備が進められる計画です。


地域発展と都市交通の未来を支える重要プロジェクト

今回の戸畑枝光線の整備は、北九州市全体の交通網を強化し、都市の利便性を高めるための重要な建設プロジェクトです。
長期的には、地域経済の活性化や周辺のまちづくりの加速にもつながると期待されています。

建設業界にとっても注目度の高い案件であり、今後の入札情報や進捗状況にも大きな関心が寄せられています。


まとめ

  • 北九州市の戸畑枝光線2期区間(戸畑~牧山間)が2025年度内に着工予定
  • トンネル区間(約840m)は明治町アンダーパス下から着手、推進工法で施工
  • 総事業費は約458億円、完成は2033年度を目指す
  • 有料道路事業と街路事業を一体で推進
  • 若戸JCT・牧山出入口・枝光出入口の整備や高速2号線・5号線への接続も計画
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