【鹿児島市】いづろ交差点周辺の再開発が本格始動へ|都市再生基本計画を策定、拠点施設や居住エリアの整備を推進【建設ニュース・2025年最新】

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鹿児島市が、いづろ交差点周辺の市街地を対象に「都市再生」に向けた大規模な再開発を本格的にスタートさせます。この取り組みは、老朽化が進む建物が多く見られるエリアの課題を解決し、観光客や地元住民にとって魅力的なまちづくりを実現することが目的です。

市が策定した「市街地総合再生基本計画」では、今後約20年間(~2044年度まで)をかけて、都市機能の再構築を進めていく方針が示されました。2025年度には、再開発の核となるビルの配置や規模を具体化するための「再開発基本計画」の策定が予定されています。

再開発の対象エリアは約7ヘクタール

計画の対象となるのは、鹿児島市中心部の中町・大黒町・金生町・泉町・堀江町・住吉町の計14街区、総面積は約7ヘクタールにおよびます。

このうち、再開発の中心となる「市街地再開発事業」の検討区域は、金生町・泉町・堀江町の一部にあたる8街区(約4ヘクタール)です。残りの6街区については、「共同建て替え事業」や「個別建て替え事業」を視野に、柔軟な方法での再整備が検討されます。

エリア全体の再整備方針|3つのゾーンに分けて機能強化

都市再生を推進するために、鹿児島市はエリア全体を以下の3つのゾーンに分け、それぞれに異なる機能強化を目指しています。


①魅力向上エリア(いづろ交差点の西側)
商店街の活性化や観光地としての魅力アップを図るエリアです。老朽化が進む商業ビルの建て替えや、歩きやすい歩道の整備、観光案内所の設置などが期待されます。

②まちなか居住エリア(鹿児島港本港区寄りの東側)
市街地に暮らすことを推進する「居住支援型」のエリアです。低層の商業施設やホテル、オフィスなどが一体的に整備され、住む人・働く人・訪れる人が共存できる街づくりが目指されます。

③拠点施設整備エリア(両エリアの間)
このゾーンには集約型の駐車場や交流施設などが整備され、周辺地域の利便性を支える役割を担います。例として、立体駐車場や観光バスの乗降場、多目的ホールなどが想定されています。

さらに、これらのエリアを快適につなぐため、「道路上空通路」や「歩行者デッキ」なども整備する計画です。街全体の回遊性が向上し、高齢者や観光客にとってもやさしい都市空間が期待されます。


地元の声を反映した計画|地権者150名超が研究会を設立

この再開発は、行政だけでなく、地域の地権者たちの声から始まりました。建物の老朽化が課題とされるなか、一部の地権者が市に対して再開発の必要性を提案。それを受けて、鹿児島市も地域に働きかけを行い、2024年3月には地権者約150者による研究会が設立されました。

研究会では、地域アンケートや勉強会などを通じて、現地の課題と可能性が整理され、現在の総合再生基本計画へと結実しています。

この計画の作成業務は、都市計画や建築デザインに強みを持つ「株式会社アール・アイ・エー」が担当しました。


2025年度から本格始動へ|まちづくり協議会が設立予定

今後のスケジュールとしては、2025年度中に地元地権者による「まちづくり協議会」が設立される見込みです。これを機に、再開発ビルの具体的な設計・規模の検討に向けた動きが加速します。

鹿児島市は、再開発基本計画の策定に向けて調査・検討を行うため、5月上旬に業務委託先を選ぶ一般競争入札を公告予定。6月ごろには業者を決定し、計画の詳細作りがスタートします。2025年度当初予算では、委託費や関連経費として約568万円(567万7,000円)を計上しています。


まとめ|鹿児島市の再開発が街に活気と新たな魅力を

今回の都市再生計画は、単なる建物の建て替えにとどまらず、「人の流れ」「暮らしの質」「地域の活性化」をトータルに考えたまちづくりと言えるでしょう。

再開発ビルや居住エリア、観光・商業機能の強化により、鹿児島市中心部が再び人を惹きつけるエリアへと進化していく様子は、今後の動きにも注目が集まります。

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