新社長インタビュー:関電工・田母神博文氏が語る「働き続けたくなる建設会社」への挑戦

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2024年4月1日、大手設備工事会社・関電工の新社長に田母神博文(たもがみ・ひろふみ)氏が就任しました。
建設業界が活況を迎える中、経営のバトンを受け取った田母神氏が描く未来像とは——。
「建設」「最近のニュース」に関心のある方にも役立つ内容として、就任の背景や今後の戦略、人材育成の方針まで、わかりやすく詳しくお伝えします。


建設業界に追い風、今こそ改革のチャンス

再開発やインフラ老朽化対策、脱炭素化の推進などで、現在の建設業界は追い風が吹いています。
こうした中、関電工の舵取り役を担うことになった田母神社長は、営業や管理部門を中心にキャリアを積んできた人物です。現場経験はないものの、社内システムの大規模な刷新などを主導してきた実績を持ち、社是である「人間第一(ひといち)」の精神をもとに、「社員が長く働きたいと思える会社づくり」を目指しています。


成長中の事業を支え、次世代へバトンを

関電工は主に「電力・通信インフラ」と「建築設備(屋内線・空調)」の2本柱で事業を展開しています。
田母神社長は、これらを軸にしつつも、近年求められる脱炭素社会への対応を重視。「今後さらに成長させ、次の世代に“もっと輝くバトン”を渡したい」と語ります。

2044年の創立100周年に向けては、「グリーンイノベーション企業」の実現を掲げており、省エネ技術や電化の推進に注力。顧客のエネルギー使用を見える化し、効率的な提案を行うことが出発点としています。


DXやロボット化で生産性を高める

「価格競争が激しくなる中、いかに効率的に工事を進めるかが鍵」と田母神社長。
特に電力分野では、国の「レベニューキャップ制度(新しい託送料金制度)」により、効率的な工事体制が求められる状況です。

このため関電工では、デジタル技術(DX)やロボット化の研究開発を加速。
さらに、社内の業務分担(分業)のあり方も見直し、事務スタッフも含めて“全員でものづくりを進める体制”の構築を目指しています。こうした改革の方向性を2025年中に具体化する方針です。


多様な人材の確保と育成にも注力

人手不足が深刻な建設業界において、人材確保も大きな課題です。
田母神社長は、「できることは何でもやる」という姿勢で、役員自らが学校訪問を行うなど、新卒採用に力を入れています。

また、文系出身者や外国籍の技術者の育成にも積極的で、多様な人材を支える教育メニューの整備を進めています。中途採用も今後さらに増やしていく予定です。


「働き続けたい」と思える環境づくりを

社員が安心して働ける環境づくりも大きなテーマです。
田母神社長は「社員や協力会社を守れなければ、お客様の設備も守れない」とし、資格手当の拡充や福利厚生の充実を進める方針を打ち出しています。


プロフィール:田母神博文氏

  • 1986年:明治大学商学部卒業、関電工入社
  • 2020年:常務執行役員
  • 2023年:取締役
  • 2024年:専務執行役員、最高戦略責任者(CSO)兼最高人事責任者(CHRO)
  • 趣味:プロバスケットボール観戦(アルティーリ千葉のファン)
  • 座右の銘:「上善は水のごとし」
  • 出身地:東京都
  • 年齢:61歳

今後も「建設 最近の動向」や「建設業界のニュース」に注目したい読者に向けて、関電工の動向は見逃せない存在となりそうです。

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