【群馬 建設ニュース】館林市で江川橋の橋脚工事を公告へ 老朽橋を安全な新橋に架け替え

群馬 建設ニュース

群馬県館林市で、老朽化が進む江川橋の架け替え工事が本格的に動き出します。国土交通省渡良瀬川河川事務所は、新しい江川橋の建設に向けた重要な工事「P2橋脚の新設工事」を、2025年6月までに条件付き一般競争入札で公告する予定です。

工事の概要:P2橋脚新設工事の規模と内容

発注されるP2橋脚工事の規模は、2億円以上3億4,000万円未満とされており、工期は約10カ月を見込んでいます。ちょうど出水期にあたる時期での施工となるため、安全対策も慎重に進められる見通しです。さらにこの工事は「余裕期間制度(フレックス方式)」を活用予定とされており、工事期間の柔軟な運用ができる点も特徴です。

P2橋脚は、高さ10.7m、幅10m、厚さ2.5mの「壁式橋脚」と呼ばれる構造で設計されています。使用されるコンクリートの量は482立方メートル。フーチング(橋脚の基礎部分)は、高さ1.9m、幅14.4m、厚さ8.4mと大きく、安定性を重視した設計です。これらはすべて「場所打ち杭工法」で基礎を築く予定です。

なお、今回公告されるP2橋脚以外にも、今後「A2橋台の建設工事」の公告も年度内に予定されており、今後の進捗が注目されます。

架け替えの背景:老朽化と安全性の課題

江川橋は、館林市木戸町と日向町を結ぶ市道8505号線に位置し、多々良川を跨ぐ橋です。現在の橋は1939年に竣工されたもので、橋長12.1m、有効幅員3.2mと非常に狭く、老朽化も進んでいます。また、堤外地に位置しており、堤防の切り欠き部を通る取り付け道路が水防上のリスクにもなっているなど、安全性の観点からも問題が指摘されてきました。

こうした背景から、今回の架け替えが決定されました。新しい江川橋は、橋長76m、全幅員9.7m(有効幅員8.5m)の鋼2径間連続合成I桁橋という設計です。現在の橋の位置から約300m南の「森の木排水機場」の北側に架けられる予定です。これにより通行の安全性や防災面での信頼性が大きく向上すると見られています。

設計・施工の体制

本工事は、館林市から国土交通省渡良瀬川河川事務所が事業を受託する形で実施されます。橋梁の詳細な設計は、東京都中央区にある「橋梁コンサルタント」によって行われました。今後の施工業者は、一般競争入札によって決定される予定です。

また、今回の橋脚工事に加えて、A1およびA2の両橋台の工事も順次進められていきます。両橋台はいずれも「逆T式構造」と呼ばれる形式で、こちらも場所打ち杭によって基礎が施工される計画です。

今後の展望:安全で快適な地域インフラへ

新しい江川橋が完成し供用開始された後、現在の老朽橋は解体される予定です。これにより、橋梁の安全性と利便性が大きく向上し、地域住民にとっても安心して利用できるインフラ整備が実現されます。

群馬県内ではこうした老朽橋の架け替えが各地で進められており、今回の館林市のケースも「群馬の建設ニュース」として今後のモデルケースとなる可能性があります。進捗に注目が集まります。

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