吾妻環境施設組合、新たな廃棄物処理施設の建設計画を発表

群馬 建設ニュース

群馬県吾妻地域の一般廃棄物処理を担う新たな施設の建設計画が明らかになった。吾妻環境施設組合は、老朽化が進む既存の処理施設を統合し、より効率的な廃棄物処理を行うため、新施設の建設を決定。2025年度中に設計・施工を一括で発注し、2030年度の稼働開始を目指している。

現行施設の老朽化と統合の必要性

現在、吾妻地域では以下の3つの廃棄物処理施設が稼働している。

  • 吾妻東部衛生センター(中之条町)
  • 西吾妻環境衛生センター(長野原町)
  • 草津町クリーンセンター(草津町)

いずれも運用開始から長い年月が経過し、老朽化が進んでいるため、維持管理が課題となっていた。そこで、中之条町、長野原町、嬬恋村、草津町、高山村、東吾妻町の6町村を対象とする新たな処理施設を建設し、統合する計画が進められている。

建設予定地と施設概要

新施設は、東吾妻町大柏木地内に建設予定。八ッ場ダム整備事業で使用された**骨材プラントヤード跡地(約7万2838㎡)**が活用される。

施設の基本設計としては、

  • エネルギー回収型廃棄物処理施設(焼却施設):処理能力 70t/日 → 若干スケールダウン予定
  • リサイクルセンター:処理能力 15t/5時間

リサイクルセンターでは、

  • 不燃・粗大ゴミ:破砕、機械選別、貯留
  • プラスチック製容器包装:破砕、手選別、圧縮梱包
  • ペットボトル:手選別、圧縮梱包

といった処理を実施。また、焼却施設の余熱は場内利用を基本とする熱回収を想定し、発電利用はしない方針となっている。

今後のスケジュール

本計画の進行は以下のように予定されている。

  1. 2025年度:基本計画を策定し、設計・施工の一括発注(デザインビルド方式)
  2. 2026年度:設計業務開始
  3. 2027年度~2029年度:3カ年かけて建設工事を実施
  4. 2030年度:新施設の稼働開始

発注は、群馬県の電子入札システムを活用した総合評価落札方式による一般競争入札となる見込み。また、災害廃棄物処理計画の策定や設計委託費の予算計上も進められる。

搬入路の整備と関連業務の担当企業

新施設の搬入路として、八ッ場ダム整備事業で使用された**工事用道路跡地(約11万5272㎡)**を東吾妻町が取得し、町道として管理する。

また、計画の策定・調査業務は以下の企業が担当。

  • 生活影響調査・基本計画策定支援:環境技術センター(長野県松本市)
  • 測量・地質調査:技研コンサル(前橋市)
  • PFI導入可能性調査:群馬県建設技術センター(前橋市)

まとめ

本計画は、吾妻地域の廃棄物処理を抜本的に見直し、より環境負荷の少ない方法でごみ処理を行うことを目的としている。設計・施工一括発注の手法を取り入れることで、スムーズな進行が期待される。

群馬県内では、このような大規模な建設プロジェクトが地域のインフラ整備に直結するため、今後の進捗にも注目が集まるだろう。

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