高崎市は2025年度の公共下水道事業に関する予算を公表しました。今年度の予算は69億7926万5000円で、前年度より約8.8%(5億6218万1000円)の増額となっています。市は下水道の整備や老朽化対策、雨水対策などに力を入れる方針です。
2025年度の公共下水道事業の概要
今回の予算には以下の事業が含まれています。
1. 管渠布設(かんきょふせつ)事業
下水道管の新設・改良を行う「管渠布設事業」には、総額11億2234万5000円が計上されました。具体的な内容は以下の通りです。
- 下水道管の延長工事:全長9191mの下水道管を新設・改良
- 整備面積:36.5ヘクタール
- 設計業務委託費:1億7700万円
- 道路舗装工事費:3億8497万円
- 取付管の設置工事費:6250万円
- 地下埋設物の移設補償費:1億9883万5000円
この事業により、市内の下水道ネットワークがさらに整備され、住民の生活環境が向上することが期待されます。
2. 雨水対策事業
大雨による浸水被害を防ぐための「雨水対策事業」には、5億8000万円の予算が確保されました。
主な工事は次の通りです。
- 粕沢川雨水1号幹線築造工事(第4工区)
- 烏川雨水3-3号幹線築造工事(第2工区)
- 延長305mの排水管設置工事
また、
- 設計業務委託費:9600万円
- 地下埋設物移設補償費:2899万3000円
が計上されており、今後も水害対策が強化される見込みです。
3. 施設改良事業
高崎市の下水処理施設やポンプ場などのインフラを維持・更新する「施設改良事業」には、大規模な予算が組まれています。
- 阿久津水処理センター設備更新工事:4億4019万5000円
- 下水道管路施設の長寿命化対策工事(延長265m):1億4525万4000円
- 下水道管更生工事(延長1305m):1億2610万円
- 管路施設点検調査等業務委託費:1億9215万4000円
- 城南水処理センター設備更新工事:3898万4000円
- マンホール蓋交換工事:2400万円
- 道路舗装工事:491万円
- ポンプ場設備更新工事:121万円
この事業により、老朽化した施設の更新が進み、下水処理の安定化が図られます。
4. ポンプ場建設事業・環境保全事業
- ポンプ設備設置等工事費:5500万円
- 設計業務委託費:140万円
- 施設用地購入費:500万円
- 榛名湖周辺の特定環境保全公共下水道施設改良事業(機械設備更新工事):1027万4000円
- 負担工事事業(管渠移設工事など):4305万6000円
特に榛名湖周辺の環境保全工事は、観光資源としての湖の水質改善にも寄与する重要な事業です。
高崎市の下水道整備が進むことで期待される効果
今回の予算を活用した下水道整備・改良により、以下のような効果が期待されます。
- 快適な生活環境の確保:老朽化した下水管の更新により、悪臭や詰まりのトラブルを防止
- 大雨による浸水被害の軽減:雨水対策が強化されることで、ゲリラ豪雨などの被害を抑制
- 下水処理の効率向上:最新設備への更新により、処理能力が向上し環境への負荷が軽減
- 都市インフラの維持・向上:下水道の適切な維持管理が行われ、将来的な大規模改修のコストを削減
高崎市は、今後も計画的に下水道整備を進め、市民の暮らしや環境を守るための取り組みを継続していく方針です。