塩江温泉郷の新たな観光拠点づくりが進行中
香川県高松市は、自然豊かな塩江温泉郷にある「塩江道の駅エリア」の再整備に着手しています。この地域は、観光地としても知られており、今後の地域振興や観光誘致を目的として、新たな交流拠点となる地域振興施設の建設が計画されています。
今回の施設整備にあたっては、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)やPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)といった、民間の資金やノウハウを活用する手法の導入可能性を調査することになりました。これにより、行政だけでなく、民間企業の力も取り入れた効率的かつ持続可能な施設運営が期待されています。
調査業務は百十四経済研究所が担当
このPPP/PFI導入可能性調査業務は、2024年2月14日に百十四経済研究所と契約されました。調査期間は2024年12月26日までで、契約金額は1,650万円(税込み)です。調査では、事業の実現性や民間事業者の参画意欲、収益性の見込みなどを分析し、今後の事業スキームの検討材料とします。
医療施設は既存施設の改修で対応
当初の再整備計画には医療施設の新設も含まれていましたが、2024年12月時点でその方針を見直し、新たな建設は行わず、近隣にある塩江地域保健活動センターを全面改修することが決定しました。このセンターは、市民病院塩江分院の敷地内に位置しており、既存資源の有効活用を図る形となります。
新施設の規模と内容
地域振興施設は、観光客や地元住民が利用しやすい複合施設として計画されています。2024年8月に建築実施設計が完了する見込みで、現時点での計画内容は以下のとおりです:
- 温浴施設:約894平方メートル
- レストラン・カフェスペース:約320平方メートル
- 物販販売コーナー:約359平方メートル
- 合計延べ面積:約2,240平方メートル
これらの施設の建設費用は約32億9,000万円が見込まれており、地域経済への波及効果も期待されています。特に温浴施設は、温泉地ならではの資源を活かした目玉コンテンツになると見られています。
設計業務は地元企業の共同体が担当
施設の基本設計および実施設計は、「オリエンタルコンサルタンツ」「東洋コンサルタント」「タカネ設計」による共同企業体(JV)が担当しました。地元企業の知見を活かした設計により、地域に密着した施設づくりが進められています。
建設ニュースとしての注目ポイント
今回のプロジェクトは、地方都市におけるPPP/PFIの活用事例としても注目されています。今後、同様の地域振興を目指す自治体にとっても参考となるでしょう。
今後の調査結果や事業進捗にも注目が集まるこのプロジェクト。高松市の塩江地域がどのように再生されるのか、今後の「建設ニュース」としても見逃せません。