西部農業事務所が富岡市・吉田地区でほ場整備事業を推進中|2025年度は5.6haを対象に工事予定

群馬 建設ニュース

群馬県西部農業事務所農村整備課は、富岡市吉田地区における農地の機能改善を目的とした「吉田地区農業競争力強化農地整備事業」を進めています。この事業は、農地の区画整理や道路・水路の整備を行うことで、農業の効率化や生産性の向上を図るものです。

2025年度は5.6ヘクタールの整備を計画

2025年度には、1工区3工事および1工区4工事という2つの工程で、合計5.6haの農地で区画整理工事が行われる予定です。主な整備内容は、農地の区画整理に加え、農道や排水路の整備も含まれます。工事の発注時期は2025年度第2四半期で、発注方法は一般競争入札を予定しています。

それぞれの工事内容は以下の通りです:

  • 1工区3工事
    • 区画整理:3.5ha
    • 道路工:700m
    • 用水路工:500m
    • 排水路工:900m
  • 1工区4工事
    • 区画整理:2.1ha
    • 道路工:300m
    • 排水路工:400m

吉田地区の整備は2022年度に始動し、2029年度まで継続

吉田地区のほ場整備事業は、2022年度に国の事業として採択され、同年から準備が始まりました。実際の初回工事は2024年度に発注され、地元富岡市の広木工業と岩井建設がそれぞれ「1工区1工事」「1工区2工事」を担当しました。

この事業は2029年度の完了を目指しており、長期的に地域の農業インフラを刷新していく計画です。

総事業費は約19.8億円、農業と工業の両面で地域を支える整備

事業全体の予算は約19億8,360万円。そのうち、工事費が12億9,560万円、測量や設計委託などにかかる費用が約6億8,800万円となっています。

対象地域は、富岡市の神成(かんなり)、中沢、蚊沼(かぬま)、南蛇井(なんじゃい)、上小林といった複数の地域にまたがっており、西毛病院(神農原559-1)や上信越自動車道に挟まれた広さ76.3haの農地が整備対象です。

この地域では、農地が不整形で小区画に分かれており、古くなった水路や狭い農道も多いため、整備が急がれていました。

工業団地用地の創設も計画中

注目すべきは、農業インフラの整備と並行して約7haの工業団地用地も創設される点です。これは、農業だけでなく地域の産業基盤を広げる狙いがあります。

整備予定の内容は以下の通りです:

  • 区画整理工事:54.4ha
  • 支線排水路工:約5,400m(穴あきコンクリートフリューム設置予定。規格は300mm×300mm~800mm×800mm)
  • 支線用水路工:約7,500m(ベンチフリューム設置。規格は300mm×300mm~500mm×500mm)
  • 道路工事:約7,900m(全幅5m。車道部4mに加え、両側に0.5mの路肩を設ける)

道路舗装については、アスファルト舗装と敷砂利舗装の2種類を使い分け、以下のような施工が予定されています。

  • アスファルト舗装の構成例
    • 下層路盤工:再生砕石40、厚さ20cm
    • 上層路盤工:粒度調整砕石30、厚さ9cm
    • 表層工:密粒度アスファルトコンクリート、厚さ4cm
  • 敷砂利舗装
    • 再生砕石40を使用、厚さ10cmで施工

なお、整備の設計は前橋市の「藤和航測」が担当しました。

富岡市によるアクセス道路整備も進行中

さらに、富岡市が整備を進めている工業団地のアクセス道路にも注目です。旧国道254号にあたる市道4421号線を起点に、工業団地の東端までを結ぶ427mの道路が整備されます。幅は9mと広く、産業用車両の通行にも配慮した設計です。こちらの道路整備は富岡市が直接担当しています。

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