群馬県吾妻郡草津町では、2025年度の当初予算が発表されました。町が重点的に取り組むのは「道路整備」や「観光施設の強化」。特に草津町ならではの観光資源である温泉地やスキー場を活かしつつ、地域の利便性と安全性を高めるための工事が多く盛り込まれています。
今回の一般会計総額は56億6,356万8,000円となり、前年度と比較して12.2%の増加。町全体として、より積極的な投資姿勢が見られる内容となっています。
■道路新設・改良事業:町道5路線で工事実施予定
道路インフラの整備は、町民の生活を支えるとともに、観光地としての魅力を保つうえでも欠かせません。草津町では、町道「土橋舟の尻線」をはじめとする5路線において、総額6,461万1,000円の工事予算を確保しました。
たとえば「土橋舟の尻線」では、側溝の布設替えや路盤材の入れ替え、舗装の打ち直しなどが予定されています。これにより、雨水の排水性が改善され、道路の耐久性や安全性が大幅に向上する見込みです。
さらに、町内の他4路線についても整備計画が進められており、地域交通の利便性が一段と向上すると期待されています。
■温泉門駐車場の拡張:バス6台分のスペースを追加
観光の玄関口として利用される「温泉門駐車場」(草津454-6)では、社会資本整備事業の一環として拡張工事が予定されています。今回の拡張により、大型バス6台が停められるスペースが新たに追加される見込みです。
草津温泉を訪れる団体客や観光ツアー利用者の利便性を考慮した取り組みであり、観光インフラとしての価値を一段と高めることが狙いです。
■中央湯畑通りの再整備:石畳の景観美を活かした設計へ
観光地・草津の中心部「中央湯畑通り」でも、道路整備に向けた設計が進んでいます。設計委託料として566万5,000円が計上されており、今後は景観と機能性を両立した道路整備が予定されています。
隣接する「中央通り」では、すでに車道部分が石畳風に舗装され、歩道部分には御影石が使用されるなど、美しい街並みが整備済み。同様のデザインでの整備が計画されており、観光客にとっても魅力ある街づくりが進められます。
■町営住宅の屋根改修:中島住宅で老朽化対策
中島地区にある町営住宅(中島住宅)では、老朽化が進む建物の屋根改修が計画されています。全10棟あるうち、まずは1棟を対象として改修工事を実施予定です。
草津町では、町営住宅の維持管理について毎年計画的に対応しており、2026年度以降も入居希望状況や予算に応じて、順次整備を進めていく方針です。
■天狗山レストハウスの建て替え:観光施設の刷新へ
草津町が力を入れている「千客万来事業会計」では、観光施設「天狗山レストハウスA棟」の解体工事が行われます。1976年に建設されたこの施設は、RC造(一部S造)で、老朽化と耐震性の問題が指摘されていました。
今回の建て替えは、「国際競争力の高いスノーリゾート形成促進事業」の一環。冬期だけでなく通年で観光客を受け入れられる施設へと生まれ変わる予定です。デザイン面でも利便性を向上させ、より多くの観光客が快適に利用できる空間づくりが進んでいます。
草津町の2025年度当初予算からは、「生活インフラの充実」と「観光資源の再整備」という2つの柱が鮮明に見て取れます。
特に、群馬県内の建設業にとっては、新たな工事案件の機会にもつながる内容となっており、今後の動向が注目されます。