群馬県で3河川の整備計画が進行中!広沢川・小倉川・山田川の改修で洪水対策強化

群馬 建設ニュース

群馬県の建設ニュースとして、県河川課が「渡良瀬川圏域河川整備計画(変更)」の原案を示しました。この計画では、桐生市とみどり市を流れる広沢川、小倉川、山田川の3つの河川において、洪水対策のための大規模な整備が予定されています。これらの河川では、過去の大雨時に流下能力(河川が水を流せる量)が不足し、氾濫リスクが指摘されていました。

計画では、各河川において調節池や分水路の設置、掘削工、護岸工、築堤などが実施される予定です。この記事では、それぞれの河川でどのような対策が行われるのか、詳しくご紹介します。

3河川の整備概要

1. 広沢川(桐生市)

広沢川では、神明小学校の東側を通る市道付近から下流約1,700m の区間で整備が行われます。このエリアは全体的に掘り込まれた河道(堀込河道)となっています。

  • 主な対策
    • 調節池分水路の新設
    • 護岸工事で堤防を強化
    • **ボックスカルバート(道路の下を通る排水路)**の改善

特に、国道50号との交差部にあるボックスカルバートがボトルネックとなり、水の流れを妨げる原因になっているため、この改修が重要視されています。また、河道の周囲には宅地や事業用地が密集しているため、周辺環境に配慮しながら整備が進められます。

2. 小倉川(桐生市・みどり市)

小倉川の整備区間は、渡良瀬川合流点から西山沢川の合流点までの約1,400m です。

  • 主な対策
    • 河床の掘削(川底を削って流れやすくする)
    • 護岸工事の強化

このエリアでは、西山沢川との合流後に最大で85立方メートル/秒の水流を確保できるよう計画されています。これは、大雨時に水の流れをスムーズにし、洪水リスクを減らすための重要な措置です。

3. 山田川(桐生市・みどり市)

山田川では、山田橋の上流から漆谷戸沢川合流点までの約3,600m の区間で整備が行われます。

  • 主な対策
    • 河川の掘削
    • 築堤(堤防の建設や補強)
    • 引堤(河川の幅を広げる工事)

このエリアでは、名久木川や金屑川など複数の支流との合流点があり、それぞれの地点で流量を確保する必要があります。特に、金屑川合流後には最大270立方メートル/秒の流量を目指して整備が行われる予定です。

なぜ今、整備が必要なのか?

今回の整備計画の背景には、気候変動による集中豪雨の増加があります。過去のデータでは、10年に1回程度の頻度で発生する大雨によって、これらの河川が氾濫する可能性があることが指摘されています。

また、2012年に策定された現行計画では、すでに桐生川や山田川の一部で流下能力不足への対策が実施され、2023年度末までに完了しました。しかし、それだけでは不十分であるため、今回の変更案ではさらに広沢川や小倉川、山田川の追加対策が盛り込まれています。

今後の予定

現在、整備計画の変更案は原案の段階であり、今後のスケジュールとして以下の流れで進められます。

  1. 2025年3月に「河川整備計画懇談会」を開催
  2. 桐生市・みどり市の意見聴取を実施
  3. 国土交通省関東地方整備局へ認可申請
  4. 認可後、詳細な測量・設計・調査を実施
  5. 具体的な工事計画を策定し、施工開始へ

整備時期についてはまだ決まっていませんが、今後の動向に注目が集まっています。

まとめ

群馬県桐生市・みどり市を流れる広沢川・小倉川・山田川の3河川で、洪水対策のための大規模な改修工事が計画されています。特に、調節池や分水路の設置、河道掘削、護岸工事、築堤などの対策が進められることで、集中豪雨時の水害リスクが大幅に低減される見込みです。

今後、計画変更案が正式に認可されれば、詳細な調査・設計が始まり、施工へと進んでいきます。群馬県内の建設ニュースとして、今後も最新情報をお届けしていきます。

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