群馬県で新たな小児医療センター整備計画が進行中|延べ床面積2.3万㎡・2027年度着工へ

群馬 建設ニュース

群馬県内で注目される建設プロジェクトとして、「小児医療センター」の再整備計画が進んでいます。県病院局はこのたび、再整備に関するマスタープラン案を公表しました。新たな病院施設は、延べ床面積およそ23,400㎡と大規模なものになる予定です。また、患者や来院者の利便性を高めるため、立体駐車場も約6,600㎡の広さで整備される見込みです。

このプロジェクトは、「群馬 建設」業界にとっても重要な大型工事となることから、多くの関係者が注目しています。

計画スケジュールと事業費の概要

基本設計は2025年度、詳細な実施設計は2026年度に行われ、2027年度から建設工事が始まる予定です。開院は2030年度を目指して工事が進められます。

気になる事業費は、総額で約291億5,500万円。内訳は以下の通りです。

  • 病院建設工事費:約222億3,000万円
  • 立体駐車場建設工事費:約7億9,200万円
  • 設計業務費:約6億4,300万円
  • 医療機器・備品整備費:約38億6,700万円
  • 医療情報システム整備費:約16億2,300万円

病院本体と立体駐車場を合わせた建設工事費は230億2,200万円にのぼります。なお、用地取得費、既存建物の解体費、附属病院との連絡通路建設費、測量・地質調査費などはこの事業費には含まれていません。

建設予定地は前橋市・共愛学園前橋国際大学短期大学部跡地

移転予定地は前橋市昭和町にある「共愛学園前橋国際大学短期大学部」の敷地。面積は約14,000㎡で、群馬大学医学部附属病院のすぐ南側に位置しています。敷地は病院と主要道路(前橋箕郷線)を挟んで接しており、計画では両施設を上空通路でつなぐことで、患者や医療スタッフのスムーズな移動を可能にする予定です。

このような設計により、救急対応や専門医同士の連携など、医療サービスの質を一層高めることが期待されています。

病院の特徴と診療体制のイメージ

新病院では、現在の小児医療センターと同じく150床を維持する方針です。診療体制としては、NICU(新生児集中治療室)は小児医療センターに、産科は群馬大学医学部附属病院に集約する形で役割分担を図ります。

病棟は以下のような構成で検討されています。

  • 一般病棟A:神経内科、アレルギー・リウマチ科、感染症科など
  • 一般病棟B:小児外科、整形外科、形成外科、歯科など
  • 一般病棟C:循環器科、心臓血管外科、血液・腫瘍科など

それぞれの病棟には、個室(12~13室程度)と4床室(5室程度)を設ける予定です。また、NICUとGCU(新生児治療回復室)は隣接して配置され、重症患者に対応できるよう陰圧・陽圧個室もそれぞれ2室ずつ設置が検討されています。

大学施設も移転へ、建設用地を確保

今回の建設用地となる短期大学部は、2026年4月から4年制大学へと移行し、2027年4月には「小屋原キャンパス」(前橋市小屋原町)へと移転する計画がすでに進んでいます。これにより、新病院建設のための敷地がスムーズに確保される見通しです。

群馬県の建設業界にも大きな波及効果

この小児医療センターの整備事業は、群馬県内の建設業界にとっても大規模な受注案件となる可能性があります。病院本体の建設工事のみならず、立体駐車場の施工や上空通路の設置、医療機器の搬入・設置など、さまざまな分野での専門工事が必要とされるからです。

また、近隣地域のインフラ整備や交通動線の見直しといった関連事業にも波及効果が見込まれており、地元企業にとっても多くのチャンスが生まれることが期待されています。

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