群馬県警察本部は2025年度、県内の複数の交番や駐在所で新築整備を行う計画を発表しました。対象となるのは、前橋市・高崎市・安中市・館林市の交番・駐在所で、老朽化や狭隘(きょうあい)といった理由から、より快適で安全な施設への建て替えが予定されています。これは地域の治安維持や警察活動の基盤を強化する重要な取り組みであり、群馬県内の建設業界にとっても注目すべきプロジェクトといえるでしょう。
新築工事が予定されている3つの交番
2025年度に実際に建設が進められる交番は以下の3つです。
前橋東警察署・前橋南交番(前橋市鶴光路町)
築年:1992年
構造:木造平屋建て(91.36㎡)
背景:建物の老朽化と手狭さが課題となり、新築が決定。既存の建物と同じ場所に建設される予定で、解体工事は2025年5月頃に随意契約で発注予定です。
設計:亦野建築設計事務所(前橋市)
前橋東警察署・西片貝町交番(前橋市西片貝町 → 上泉町に移転)
築年:1981年
構造:RC造2階建て(延べ床面積56.4㎡)
背景:同様に老朽化と狭さが問題。新しい交番は木造平屋で、前橋市上泉町1781-1の敷地に建設される予定(借地のため面積調整中)。解体工事は2026年1月頃を想定しています。
設計:ユウ設計事務所(前橋市)
高崎警察署・新町交番(高崎市新町)
築年:1996年
構造:RC造2階建て(延べ床面積190.51㎡)
背景:治安能力の向上を目的とし、場所を移転して新たな交番を建設予定。新築の設計業務はすでに始まっており、福島建築設計事務所(前橋市)が担当。履行期限は2025年6月30日までとされています。
新たな建設場所は高崎市新町地内ですが、詳細は現在調整中です。
この3つの交番の新築工事はいずれも一般競争入札で施工業者が選定されます。公告のタイミングは、前橋南交番と西片貝町交番が2025年6月ごろ、新町交番は8月ごろと予定されています。
設計業務が計画されている2つの駐在所
2025年度には建設こそ行われませんが、次年度に向けて設計が進められる駐在所もあります。
安中警察署・磯部駐在所(安中市磯部3-971-1)
築年:1985年
構造:木造平屋(69.56㎡)
背景:構造や設備の老朽化に加えて、手狭さも問題となっており、同一場所での建替えが計画されています。
館林警察署・日向駐在所(館林市日向町450-11)
築年:1986年
構造:木造平屋(69.56㎡)
背景:こちらも老朽化および手狭さが課題。既存施設を解体し、同じ場所で新たな施設を建てる予定です。
磯部・日向の両駐在所についても、新築工事の設計業務は2025年6〜7月ごろに一般競争入札で公告される予定です。工事自体は2026年度に行われます。
群馬県内で進む公共建築整備|建設業界にもチャンス
今回の交番・駐在所の新築整備は、地域住民の安全と快適さを支える施設の充実を目的としたものです。設計・建設ともに群馬県内の企業が多数関与しており、地域密着型の建設が進められている点も注目ポイントです。
前橋・高崎といった都市部に加え、安中や館林のような地方エリアでも新築プロジェクトが実施されることで、群馬県全体の建設需要の底上げにもつながると期待されています。