群馬県は、2025年4月1日付で大規模な人事異動を実施しました。今回の異動では、県庁全体で1,779人が対象となり、前年度から192人減となっています。特に「県土整備部」「環境森林部」「農政部」など、群馬県内の建設や土木、農林業に関わる部門でも多くの異動が行われました。
この記事では、群馬の建設業界に関わる方や土木行政に関心のある方に向けて、注目すべき人事異動のポイントをわかりやすく解説していきます。
県土整備部の主要人事異動
県土整備部では、宮前勝美部長を支える新たな技監に中川哲氏(前・企業局団地課長)が就任しました。技監は、土木・建設行政の技術面を統括する役職で、群馬県内のインフラ整備において極めて重要なポジションです。
本課の課長級では以下の異動が行われました:
- 道路整備課長:川端宏充氏(前・安中土木事務所長)
- 下水環境課長:根岸孝典氏(前・下水道総合事務所長)
- 住宅政策課長:金澤敬文氏(前・財産有効活用課建築主監)
また、2025年度より新設された「盛土安全推進室」の室長には藤井健太郎氏が就任。盛土による災害を未然に防ぐための体制が強化される形です。
土木事務所長が全員交代、新体制に注目
県内13の土木事務所でも大規模な異動があり、全所長が新任となりました。特に注目される人事は以下の通りです:
- 前橋土木事務所長:鈴木修氏(前・道路整備課長)
- 伊勢崎土木事務所長:角田隆氏(前・河川課水害対策室長)
- 太田土木事務所長:益満義博氏(前・下水環境課長)
- 高崎土木事務所長:本木秀典氏(前・太田土木事務所長)
このような全面的な交代は、地域ごとの特色に応じたインフラ整備を推進するための戦略的な動きと見られています。
環境森林部・農政部でも重要ポストに異動
環境森林部では、新部長に永井浩二氏(前・知事戦略部副部長)が就任。森林局長には折田知徳氏(前・森林保全課長)が配属されました。廃棄物対策や林業振興、自然環境保全などの分野で体制が強化される見通しです。
農政部では、部長に岸篤志氏(前・農政部副部長)が昇任。農業政策を統括する農政課長には城田忍氏(前・農業構造政策課長)が就任しました。これに伴い、農業構造政策課長や野菜花き課長など、各課長ポストでも異動が相次ぎました。
また、西部農業事務所や渋川農村整備センターなど、出先機関でも複数の所長が交代し、農業の現場を支える新体制がスタートしています。
女性管理職の登用が過去最多に
今回の人事異動では、女性の管理監督職が312人(全体の22.3%)と過去最多となりました。男女問わず多様な人材を登用する姿勢が、県の人事政策に表れています。
群馬県の建設・行政の今後に注目
こうした人事異動は、群馬県の建設・インフラ整備・環境対策・農政の方向性を大きく左右するものです。特に土木事務所長の一斉交代や、新設の盛土安全推進室の設置は、今後の安全・安心な地域づくりに向けた重要な布石といえるでしょう。
建設業や関連業種の方にとっては、各事務所の新所長の方針や県の施策の変化に注目しておくと、今後の案件や連携に有利に働く可能性もあります。