群馬県病院局は、小児医療センター(渋川市北橘町下箱田)の移転整備に向け、基本設計業務を進める計画を発表しました。この基本設計業務の受託者を決めるため、公募型プロポーザル(提案方式による選定)を2024年6月ごろに実施する予定です。すでに2025年度当初予算案には、基本設計の委託費として約1億6701万円が計上されています。
現在、年度末までの完成を目指して「再整備マスタープラン」の策定が進められています。マスタープランには、新しい病院の概算工事費や規模、建設スケジュールなどの重要な項目が盛り込まれる予定です。
小児医療センターの移転候補地は前橋市昭和町
移転候補地として選定されているのは、現在「共愛学園前橋国際大学短期大学部」(前橋市昭和町3-7-27)がある敷地です。この場所は、群馬大学医学部附属病院(前橋市昭和町3-39-22)の南側に位置しており、県内唯一の特定機能病院である大学病院に隣接することになります。県は、小児医療センターを大学病院の近くに移転することで、より高度な医療連携を実現し、医療サービスの向上を図る狙いがあります。
既存施設の解体と新病院の建設へ
移転に伴い、現在の短期大学部の建物は取り壊され、新たに病院が建設される計画です。共愛学園前橋国際大学短期大学部の敷地面積は約1万4000㎡で、2026年4月には4年制大学へ移行し、さらに2027年4月には新キャンパス(前橋市小屋原町1115-3)へ移転する予定となっています。
現在の小児医療センターは敷地面積が5万㎡以上あり、新たな移転先では土地の広さが縮小されることになります。しかし、設計段階で工夫することで、現在と同等の機能を持つ医療施設を建設できると県は判断しています。
設計・分析業務は専門機関へ委託
本プロジェクトのデータ分析や資料作成の支援業務については、東京都港区に本社を構える「医療開発研究所」が担当しています。今後、基本設計のプロポーザルを通じて具体的な設計方針が決まり、移転整備が本格的に進む見込みです。
新しい小児医療センターの誕生により、群馬県の小児医療の充実が期待されます。今後の進捗にも注目していきましょう。