登録基幹技能者に「道路等法面保護」が新設!初の講習は6月に開催予定【建設ニュース・最近の動向】

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建設業界における登録基幹技能者制度に、新たな職種「道路等法面保護」が加わりました。この新設は、建設現場でののり面工事に関わる技能者の技術や知識を正しく評価し、より良い労働環境をつくるための重要な動きです。

この講習を実施するのは、全国特定法面保護協会(会長:川村公平氏)。同協会は、2024年6月に東京都と福岡県の2会場で、初回となる講習を開催します。受講申し込みの締め切りは5月14日で、東京・福岡あわせて約500人の受講を想定しています。

登録基幹技能者制度とは?

まず、「登録基幹技能者」とは、豊富な現場経験を持ち、後進の指導や安全管理などにおいてリーダー的な役割を果たす技能者のことを指します。建設現場での熟練技能者の地位向上や、キャリアパスの明確化を目的とした制度です。

これまでにも型枠工、鉄筋工などさまざまな職種が対象とされてきましたが、のり面工事を専門とする技能者が評価される枠組みは存在していませんでした。

今回の「道路等法面保護」の新設により、法面(のりめん)保護の分野で活躍する技能者が、正式に評価される環境が整いつつあります。


のり面工事ってどんな仕事?

のり面工事とは、道路や鉄道、ダムの建設時に発生する「切り土」や「盛り土」によってできた斜面(のり面)を、崩れないように保護・補強する工事のことです。具体的には、モルタルの吹き付けや植生による緑化、アンカー工などを用いて、自然災害や経年劣化から構造物を守ります。

特に日本のように山が多く、地形が複雑な国では、のり面工事はインフラの安全性を維持するうえで極めて重要な業務です。


講習の開催概要と今後の動き

今回の登録基幹技能者講習は、以下のスケジュールで開催されます。

  • 東京会場:2024年6月17日~18日(千代田区・JA共済ビル)
  • 福岡会場:2024年6月25日~26日(中央区・電気ビルみらいホール)

受講を希望する場合、5月14日までに申し込む必要があります。講習では、一定の実務経験職長経験に加え、以下のような資格の保有が要件となります。

  • 「のり面施工管理技術者」
  • 「のり面ノズルマン技能者」など

これらの資格は、法面保護工事における専門的な知識や技能の証明となります。


今後はCCUS(建設キャリアアップシステム)とも連携へ

さらに注目すべきは、今回の講習にとどまらず、2025年度中には「のり面工」を対象としたCCUS(建設キャリアアップシステム)の能力評価基準も策定される予定であるという点です。

CCUSとは、技能者一人ひとりの資格や現場経験などをデータベースで管理し、客観的に評価するシステム。これにより、技能者の処遇改善や技能向上を図ることが可能になります。

「道路等法面保護」の登録基幹技能者がCCUSと連動することで、のり面工事の専門職がさらに社会的に認知されることが期待されています。


建設業界の未来へ向けて

今回のニュースは、建設業の中でもとくにニッチでありながら重要な分野である「のり面工事」が、今後ますます注目され、整備されていく動きを示しています。

「最近の建設業界では、技能者の評価制度の整備が急速に進んでいる」というトレンドの中で、今回の制度変更は見逃せない話題の一つです。

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