渋川土木事務所・山木健一所長インタビュー

群馬 建設ニュース

群馬のまちづくりと建設業の未来を支える、新任所長の思いとは

北群馬・渋川地域に新たに着任した、群馬県渋川土木事務所の山木健一所長。土木行政に長年携わってきた山木氏にとって、この地域での勤務は今回が初めてとなります。就任当初は、地域への理解不足や所長という責任の重さから、相当な緊張感を持って新たな職務に臨んだそうです。

「前橋伊香保線・吉岡バイパス」など主要事業に注力

2024年度からは、群馬県が策定した新たな「県土整備プラン」の実行がスタート。これを受けて、山木所長は「未来につながるまちづくり」をテーマに、地域の発展と安全を両立させる取り組みを強化すると語ります。

その中でも特に注目されているのが、「主要地方道・前橋伊香保線」の整備プロジェクトです。この路線は、前橋市から吉岡町、渋川市を結ぶ重要な幹線道路であり、バイパス整備によって交通の利便性や防災機能の強化が期待されています。

また、今年度は「県道南新井前橋線バイパス」の第4期工区がいよいよ佳境を迎えており、これについても「災害時にも機能する強靭な道路ネットワークの構築を目指したい」と力強く語っています。

地域との縁、そして災害への意識

山木所長には、北群馬・渋川地域に幼い頃からの思い出があります。祖父母が渋川市赤城町に住んでいたことから、小中学生のころは頻繁に訪れていたとのこと。「景色は少しずつ変わったけれど、子どもの頃に聞いた『カスリーン台風』の被害の話は今でも記憶に残っている」と話します。

近年の異常気象を受けて、「治水対策や防災対策は、施設整備だけでなく、住民一人ひとりの備えも重要だ」との考えを強く持っているようです。

河川課での経験、情報公開への葛藤

これまで山木所長は、県庁の河川課などで多くの実務経験を積んできました。中でも印象に残っているのは、洪水ハザードマップの基礎資料となる「浸水想定区域図」の作成業務。当時は、リスク情報をあえて公開することに批判の声も多かったといいます。

「リスクを知らせることで、かえって不安を煽るのではないかという声もありましたが、今では『防災意識を高めるために必要な情報』として受け止めてもらえるようになった」と振り返り、時代の変化とともに、行政の在り方も変わってきていると語ります。

若手職員へ「働き方」のメッセージ

また、山木所長は「過去には家庭を顧みず仕事に没頭してしまったこともあった」としつつ、「若い職員には、ライフステージに応じた働き方を大切にしてほしい」とメッセージを送りました。

前職では監理課で職員の勤務管理なども担当しており、仕事の成果を出すには「職員の心身の健康が第一」だと強調します。働きすぎを防ぎ、長く活躍できる職場づくりの重要性を感じているようです。

建設業界への感謝と期待

山木所長は、地域のインフラ整備を担う建設業界にも強い信頼と感謝の気持ちを持っています。「建設業は、地域を守る“縁の下の力持ち”。誇り高い仕事をしていると心から思う」と語ります。

能登半島地震の際には、被災地に職員を派遣した経験もあり、「災害対応力の維持がどれほど重要かを痛感した」とコメント。今後も、建設業界と連携して地域の安全を守る体制づくりに取り組んでいきたいと語りました。

ラグビー観戦やウイスキー蒸留所巡りが趣味

プライベートでは、学生時代に取り組んでいたラグビーの試合観戦が趣味。最近では、40歳を過ぎてからハマったという「ウイスキー蒸留所巡り」にも熱を注いでいるそうです。

以前はゴルフも楽しんでいたとのことですが、「最近は少し太ってしまって、体が思うように動かなくて…」と笑顔で話してくれました。

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