近年、清水建設と日本道路が推進するBIM/CIM活用の道路施工DXとは?福岡市の現場で実現した3Dデータの一貫活用やMC施工によるコスト25%削減など、建設業界の最新ニュースをわかりやすく解説。建設業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速しています。特に、「建設 最近」や「建設 ニュース」といったテーマで注目されているのが、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を活用した土木・道路工事の効率化です。
今回は、清水建設と日本道路が共同で取り組んだ先進事例をご紹介します。現場は、福岡市東区で進められている「九大箱崎南地区都市計画道路築造その他工事」。ここでは、BIM/CIMを活用して3Dデータを施工までシームレスに連携させるという、まさに“次世代型”の道路施工が実現されています。
3Dデータをそのまま施工に活用!設計から工事まで一気通貫の流れを構築
これまでの道路工事では、設計段階と施工段階で別々の図面やデータが使われることが一般的でした。その結果、データの変換作業や再入力が必要になり、非効率な手間が発生していました。
しかし今回、清水建設と日本道路が進めた現場では、設計時に作成した3Dモデル(BIM/CIM)を、そのまま施工にも活用。一貫した座標系で道路舗装や埋設物、標識などのモデルを統合し、“シームレスなデータフロー”を実現しています。
この仕組みでは、施工に必要な3Dデータをいちいち変換する必要がないため、大幅な時間短縮と作業効率の向上が可能になりました。
点群データでより精密な施工へ
さらに注目すべきは、工事エリアの点群データ(レーザースキャナなどで得られる高精度な位置情報)を活用している点です。これにより、埋設管や地中構造物の正確な位置を把握しながら3Dモデルに反映でき、実際の地形や障害物に即した施工計画の立案が可能になります。
VRやARにも対応!建設の未来を感じる仕組み
作成された統合モデルは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)にも対応しています。現場関係者は、ゴーグルやタブレットを使って完成形を事前に確認したり、工事の進行を4D(時間軸を加えたシミュレーション)で把握したりすることが可能です。
これにより、計画変更にも柔軟に対応でき、トラブルの未然防止やスムーズな意思決定が可能になります。
切削工事のコストを25%削減!MC(マシンコントロール)施工の効果
実際の工事では、舗装切削工(道路表面を削る工程)においてMC(マシンコントロール)施工を採用。ここでも、BIM/CIMから作成された3Dデータを直接活用することで、施工指示の作成や準備作業が簡略化されました。
この取り組みによって、人手と作業時間を大幅に削減し、コストを約25%削減することに成功しています。
今後の展望:土木全体へ広がる可能性
清水建設と日本道路は、この現場で得たノウハウを今後の協働プロジェクトにも活かしていく方針です。また、清水建設では道路工事だけでなく、他の土木分野にもBIM/CIMを展開し、建設現場全体の生産性向上を目指しています。
このように、BIM/CIMを中心にしたDXの取り組みは、今後の建設業界を大きく変える可能性を秘めています。
建設業とDXの融合がもたらす未来
今回の清水建設と日本道路の取り組みは、「建設 最近」の動向を知る上でも非常に興味深いものです。現場のリアルな課題をデジタル技術で解決することで、施工の効率化や品質向上、人手不足の緩和など、多くのメリットが得られます。
今後も、こうした先進的な建設ニュースに注目し、業界の最新トレンドをキャッチアップしていきましょう。