建設業界は現在、外国人技能労働者を積極的に受け入れており、その人材の能力をさらに引き出すための支援制度が新たにスタートしています。特に注目すべきは、建設技能人材機構（ＪＡＣ）が実施する「資格取得等奨励金制度」です。この制度は、外国人技能労働者が特定技能外国人2号評価試験や、建設関係の技能検定1級に合格した場合に、外国人労働者とその受け入れ企業の双方に対して、各10万円の奨励金が支給されるというものです。
奨励金の背景と目的
この新しい制度の目的は、外国人労働者が日本で長く活躍し、スキルアップを目指す意欲を高めることです。特に、建設キャリアアップシステム（ＣＣＵＳ）における就業履歴の蓄積が求められている中で、元請企業の支援が充実しています。これにより、技能者が自分のキャリアを確立し、長期的に建設業界で働き続けるための環境が整えられるのです。
奨励金制度の詳細
具体的には、資格取得等奨励金制度は2019年4月1日以降に評価試験や技能検定に合格した外国人技能者に遡って適用されます。さらに、すべての1号特定技能外国人を受け入れている企業が対象となり、もし5人の外国人が合格すれば、それぞれの労働者に10万円、企業には50万円が支給されます。この制度は、最大1600人への適用を見込んでおり、ウェブから申請を行うことができます。
CCUSによるキャリア形成の支援
また、ＣＣＵＳに関連する資格や就業履歴を蓄積するための支援も行われます。具体的には、元請企業が加入している日本建設業連合会（ＮＫＫ）や全国建設業協会（全建）、全国中小建設業協会（全中建）の会員企業に対して、更新料の補助やカードリーダーの購入支援が提供されます。更新料の上限は4万8000円、カードリーダーの購入には最大6万円の支援があります。これらのサポートは、外国人技能労働者がより良い条件で働けるようにするための一環です。
一時帰国支援の拡充
さらに、外国人労働者が一時帰国する際の支援も強化されました。従来の一時帰国支援事業は、利用回数が1回から2回に増え、支援額も1回8万円（最大16万円）に引き上げられました。これにより、特定技能外国人が安心して日本に戻ることができ、生活の安定が図られることが期待されます。特定技能外国人を受け入れる企業にとっては、この支援が人材確保に役立つでしょう。
まとめ
このように、日本の建設業界は、外国人技能労働者が長く活躍できる環境づくりに力を入れており、資格取得支援や一時帰国支援の強化が進んでいます。今後もこのような支援が拡大され、より多くの外国人労働者がキャリアアップを図りながら、建設業界で貢献することが期待されます。
