最近の建設業界の注目ニュースとして、日本建築学会の次期会長に東北大学の小野田泰明(おのだ・やすあき)教授が選ばれたことが発表されました。正式な就任は2025年5月30日に開催される通常総会の後となる予定です。
この発表は、2025年4月11日に行われた日本建築学会の選挙管理委員会で決定されました。建築学会の会長は、建築業界における学術や技術の方向性を示す非常に重要な役割を担っており、その人選には毎回多くの関心が寄せられます。
小野田泰明教授とは?建築計画学の第一人者
小野田教授は、1986年に東北大学工学部建築学科を卒業し、その後、同大学で助手としてキャリアをスタート。1996年には助教授に、そして2007年には教授に昇進しました。現在は建築計画学を専門とし、建物の使いやすさや都市空間のあり方などを研究する第一人者として知られています。
建築計画学とは、ただ建物を建てるだけでなく、どのような配置や空間が利用者にとって快適か、社会全体にとって有益かを考える学問分野です。特に近年では、少子高齢化や災害リスクの増大に対応する都市設計が求められており、小野田教授の知見が大いに期待されています。
また、小野田教授は2021年から2023年にかけて日本建築学会の副会長を務めており、その経験と実績が今回の選出につながったとみられます。現在62歳。
副会長候補にも注目の顔ぶれ
今回の選挙では、次期副会長候補として以下の3名も選ばれました。
- 東京大学地震研究所 副所長・教授の楠浩一氏
→ 地震防災に関する研究の第一線で活躍中。耐震・免震構造に詳しい。 - 京都大学生存圏研究所 教授の五十田博氏
→ 木造建築や自然環境との共生に関する研究を展開。SDGsにも関わる活動に注力。 - 清水建設株式会社 常務執行役員 建築総本部 設計本部長の藤本裕之氏
→ 実務の最前線で数多くの建築プロジェクトを手がける設計のスペシャリスト。
学術・研究機関だけでなく、民間企業からも副会長が選ばれている点は、学問と実務の両輪で建築業界をけん引していく体制を意識した人事といえるでしょう。
まとめ:建設業界の未来を担う新体制に期待
このように、日本建築学会の新たなリーダーシップの体制が整いつつあります。最近の建設業界では、カーボンニュートラルへの対応、持続可能な都市開発、災害に強いインフラ整備といった課題が山積しています。
小野田教授を中心とした新体制が、こうした課題にどう取り組んでいくのか、多くの関係者が注目しています。
「建設ニュース」や「建設 最近」のキーワードで情報を探している方にとって、今回の発表は知っておくべき重要な動きと言えるでしょう。