太田市の公共施設再編計画第2期整備が2025年度に着手

群馬 建設ニュース

群馬県太田市は、公共施設の効率的な活用を目的とした「公共施設再編計画」の第2期整備を、2025年度から本格的に進める方針です。この計画では、新田保健センターの改修や新田庁舎の再活用などが盛り込まれ、公共施設の統合・最適化が進められます。

新田保健センターの改修と農政部門の移転

新田保健センター(太田市新田反町町879)は、2003年に建設された鉄筋コンクリート造の平屋建てで、延床面積は約1,292㎡。この施設を改修し、新田庁舎(新田金井町29)に現在ある農政部の農業政策課・農村整備課、および農業委員会の機能を移転させる計画です。

この改修は市の直営で設計が進められ、2025年度に工事を開始し、2026年度からの供用開始を目指します。市の当初予算案では、改修工事費として8,000万円が計上されています。

新田庁舎のリニューアルとおおた芸術学校の統合

新田庁舎は1977年に建設された鉄筋コンクリート造3階建ての建物で、延床面積は約4,840㎡。現在は一部をおおた芸術学校新田校が使用しています。

今回の再編計画では、おおた芸術学校太田校(飯田町820-1)と新田校を統合し、新田庁舎を新たな学校施設としてリニューアルすることが決定しました。統合の背景には、太田校の建物が築50年以上経過し老朽化が進んでいること、設備の故障による機能低下、さらに太田校と新田校が分散しているため事務事業の効率化が課題となっていたことがあります。

2025年度に設計委託を行い、工事の詳細を詰めた後、2026年度に着工し、2027年度の開校を予定しています。統合後の新施設では、最新の設備を備えた教育環境が整えられ、より充実した芸術教育の提供が可能になる見込みです。

また、太田校の移転が完了した後、旧校舎(鉄筋コンクリート造3階建て・延床面積1,175㎡)は解体され、跡地の活用方法として、民間への売却や駐車場整備が検討されています。

旧新田図書館の活用と文化財保存倉庫の集約

2023年には、新田地区の公共施設の統合を進める一環として、「エアリスベース」が開設されました。これに伴い、旧新田図書館・新田保健センター・西サービスセンターが統合され、これまでの施設が空き施設となっています。

今回の再編計画では、旧新田図書館を活用し、市内に点在する文化財保存倉庫4施設の機能を集約する方針が示されました。対象となる倉庫は以下の通りです。

  • 宝泉倉庫
  • 新田文化財収蔵庫
  • 尾島文化財事務所
  • 藪塚本町文化財収蔵庫

これらの施設を旧新田図書館へ移転させ、文化財の一元管理を行うことで、効率的な運営と保存環境の向上を図ります。また、現在使用している倉庫については、今後の利活用に向けて解体や転用などの再整備が検討される予定です。

今後の展望

太田市の公共施設再編計画第2期では、既存の施設を有効活用しながら、市民サービスの向上を目指しています。農政部門の移転による行政機能の集約、老朽化した学校施設の統合による教育環境の改善、文化財の適切な管理といった施策が進められることで、より快適で利便性の高い都市づくりが推進されるでしょう。

本計画の進捗については、今後も市の公式発表などを通じて注目していく必要があります。

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