群馬県北部の吉岡町では、前橋市の駒寄スマートインターチェンジ(スマートIC)の北西側に位置するエリアにおいて、新たな産業団地の整備計画が進行中です。この記事では、幹線道路や新設橋の設計委託に関する動きや、今後のまちづくりの方向性について、詳しく紹介します。
計画の概要|位置や規模、背景とは?
新しく整備される産業団地は、すでに前橋市が開発を進めている「駒寄スマートIC産業団地」の北側に位置し、面積は約20ヘクタール(東京ドーム約4個分)を予定。吉岡町の第6次総合計画および都市計画マスタープランに基づいて進められており、地域の新たな産業拠点として期待されています。
このエリアの特徴は、交通アクセスの良さ。すでにスマートICは大型車の通行にも対応しており、物流拠点としても有望です。さらに、南側では前橋市が次期産業団地を開発中で、両者の相乗効果による経済活性化が見込まれています。
幹線道路と新橋の設計を6~7月に委託予定
吉岡町は、産業団地内の主なインフラ整備として、以下3件の詳細設計を2024年6月~7月ごろに委託する方針です。
- 南北に走る幹線道路(仮称:町道池端・南下線)
- 東西を結ぶ幹線道路(町道大久保・南下線)
- 午王頭川(ごおうとうがわ)に架ける新橋(名称未定)
これらは同時期の指名競争入札で進められる予定で、現在はその準備段階にあります。
また、産業団地の整備にあたっては、埋蔵文化財の試掘調査や地元地権者との用地交渉も同時に進められています。
詳細な道路設計の内容
【南北道路(町道池端・南下線)】
- 延長:650m/基本幅員:13m
- 起点は「町道宮田・大藪線」との交差点
- 最初の100mは両側歩道付き(幅員15m)、以降550mは西側のみ歩道(幅員13m)
整備内容の例:
- 両側歩道:2.5m×2
- 車道:3m×3車線(中央+両方向)
- 路肩:0.5m×両側(もしくは0.5mと1m)
【東西道路(町道大久保・南下線)】
- 延長:220m/幅員:10~13m
- 歩道は南側のみ
整備内容の例:
- 歩道:2.5m(片側)
- 車道:3m×2車線
- 路肩:南側0.5m/北側1m
【新橋(名称未定)】
- 延長:14.7m/幅員:13m
- 午王頭川をまたぎ、南北道路の延伸区間に設置予定
- 橋の詳細については、行政境界をまたぐため前橋市と協議しながら調整中です
計画にかかる予算と今後の整備
吉岡町は2024年度当初予算において以下の金額を確保しています。
- 南北道路(町道池端・南下線):設計委託費として約3,294万円
- 東西道路(町道大久保・南下線):設計委託費として約750万円
さらに、道路整備に関連して以下のような改良計画も検討されています。
- 東西道路延長部(約80m)の交差点改良
- 南北道路起点の「町道宮田・大藪線」交差点改良
これらは地元の声や関係機関との調整を踏まえ、今後具体化されていきます。
産業団地内の整備予定施設も充実
新しい産業団地では、道路以外の都市基盤も順次整備される予定です。たとえば…
- 約1haの公園
- 緑道(幅5~10m)
- 緑地・調整池
- 河川沿いの緩やかな護岸(午王頭川)
- 河川管理用道路
進出企業の要望に応じて、団地内の区画道路も柔軟に設計される見込みです。こうした整備によって、企業が働きやすく、環境にも配慮された産業団地の形成が進んでいくと見られています。
吉岡町の未来を担うプロジェクトに期待
今回の新産業団地整備は、吉岡町だけでなく、前橋市を含む群馬県全体の産業基盤強化に直結する重要な事業です。スマートICを活かした広域物流の拠点としての役割に加え、周辺住民の利便性や雇用創出といった地域振興にもつながる取り組みとして、今後の進捗に注目が集まります。