群馬県前橋市では、地域の暮らしや学びの拠点となっている上川淵公民館(後閑町35)の老朽化に対応するため、大規模な改修工事と増築工事を行う計画が進められています。工事は2025年度から始まり、2026年度までの2年間をかけて進められる予定です。
この事業は、建物の老朽化とスペース不足を解消することを目的とし、バリアフリー対応や機能性の向上も図られます。工事の総事業費は約8億円規模にのぼり、市が力を入れている公共施設整備の一環です。
具体的な工事内容|改修と増築で機能を強化
既存建物の改修
現在の上川淵公民館は鉄筋コンクリート造(RC造)2階建て、延べ床面積は1528.79㎡。しかし、高齢者や体の不自由な方にも使いやすいようにするため、2階部分は閉鎖し、1階だけを使う「平屋利用」へと改修します。
1階の主な改修内容は以下のとおりです:
- 事務室・玄関ホールの拡張
- トイレの拡張と乾式化(床を水浸しにしない仕様)
- 図書館分館を含めた内外装のリニューアル
新しく建てられる「増築棟」
既存棟の西側にある駐車場スペースに新しく建てられるのが鉄骨造(S造)平屋建ての「増築棟」(床面積:536.85㎡)です。こちらには以下のような多目的スペースが設けられます:
- 約100人規模のホール
- 地域の集まりに使える和室
- 料理教室も可能な調理実習室
- 子どもから高齢者まで利用できる創作実習室
さらに、既設棟と増築棟をつなぐための渡り廊下(12㎡)も整備され、建物全体の動線も改善されます。
最終的な施設全体の延べ床面積は1699.86㎡と、従来より200㎡ほど広くなります。
駐車場も大幅拡張へ|利用者の利便性を向上
これまで駐車場不足が課題とされていた上川淵公民館ですが、今回の整備で駐車台数を約133台分まで拡張します。
- 拡張場所は南側エリア
- 2024年度に用地取得済み
- 2025年度には造成工事を実施予定
- L型擁壁の設置(延長約170m)
- 雨水排水設備の整備
工期はおよそ4か月を見込んでいます。
工事スケジュール|2026年1月に着工予定
- 入札は2025年秋ごろに告示予定
- 工事は建築・電気設備・機械設備に分けて発注
- 仮契約は2025年12月議会までに締結予定
- 本契約後、2026年1月に着工し、2027年3月の完成を目指す
- 外構工事などを行い、2027年度上半期の開館を予定
なお、工事期間中は一時的に公民館と図書館分館の利用を停止し、事務室は旧第二福祉作業所に仮移転される計画です。
設計を担当するのは地元企業の勝山工務所
この一連の大規模プロジェクトの実施設計は、前橋市に本社を置く「勝山工務所」が2023~2024年度にかけて担当。地元企業が地域の公共施設整備に関わることで、地域経済への貢献も期待されています。
地域の未来を支える施設へ
上川淵公民館は、地域の社会教育や行政サービスの拠点として多くの住民に親しまれてきました。今回のリニューアルを通して、子育て世代から高齢者までが集い・学び・交流できる施設へと生まれ変わります。
今後も「群馬 建設 ニュース」の一つとして、地域住民に役立つ公共工事の動向に注目が集まりそうです。