内閣官房がGX事業を後押し!脱炭素と経済成長を支える新たな産業立地のあり方を検討開始

全国 建設ニュース

政府は、地球温暖化対策と経済成長の両立を目指す「GX(グリーントランスフォーメーション)」の一環として、産業立地の見直しに本格的に乗り出しました。2025年4月15日、内閣官房は有識者によるワーキンググループ(WG)を立ち上げ、脱炭素社会の実現に向けた新たな工場やデータセンターの立地、支援制度などについて検討を始めました。

今後の日本の産業の形を左右する大きな取り組みとして、建設業界や自治体にとっても注目すべきニュースです。


GX事業を支える産業立地の新たな姿とは?

今回設置された「GX産業構造実現のためのGX産業立地WG」では、GX事業の創出を支える具体策を議論しています。たとえば、再生可能エネルギーや原子力などの脱炭素電源の近くに工場などの産業施設を集積させるための条件整備や、企業の立地を促す投資・融資制度の見直しが検討の柱となります。

座長には東京大学副学長の大橋弘氏が就任。会合では以下のようなテーマが話し合われています。

  • 国内投資を加速させるための方策
  • 海外とのエネルギー価格の差をどう埋めるか
  • 再生可能エネルギーや原子力など脱炭素電力の有効活用
  • 地方における産業集積の支援制度や規制緩和
  • 公共調達の新しいあり方による産業創出

用地不足という現実と建設業への影響

経済産業省の調査によれば、2024年度における産業用地の供給量(ストック)は、1996年度の半分以下となる約1万ヘクタールに減少。需要に見合った産業用地を確保できている自治体は全体の1割未満とされ、深刻な用地不足に直面しています。

多くの都道府県や政令市では、産業用地の造成計画が進行中ですが、土地の確保と資金調達の難しさがネックとなっています。特に地方における大型建設プロジェクトの推進には、こうした背景を理解した支援策が必要とされています。


海外の事例:フランスの先進的な取り組み

参考事例として、フランスではAIとデジタルインフラ強化を国家戦略の中心に据えています。政府が全国で35カ所のデータセンター候補地を指定し、いずれも原子力発電所の近隣に設定しているのが特徴です。

これは「電力の安定供給」と「脱炭素」の両立を実現する好例であり、日本でも今後こうした先進事例を参考にした政策が進む可能性があります。


6月にかけて政策の方向性を明示へ

なお、データセンター(DC)などの電力消費が大きいインフラ設備の整備を議論している「ワット・ビット連携官民懇談会」では、2025年6月ごろに成果をまとめる予定です。それに合わせ、今回のWGでも政策の方向性が示される見通しです。

建設業界にとっても、今後の用地造成やインフラ整備のあり方に大きな影響を与える動きとなることは間違いありません。


まとめ:建設業にとってのチャンスと課題

脱炭素を軸としたGXの取り組みは、日本の未来の産業を形作る鍵となります。建設業界としては、こうした政策動向を把握し、将来的な事業機会につなげることが求められます。特に産業用地造成や再生可能エネルギー関連施設の建設に関しては、今後需要が増える可能性が高いため、企業の備えが重要となります。

建設業の「最近のニュース」として、今後も引き続き注目しておきたいトピックです。

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