五洋建設が新たな取り組み「サステナビリティ朝礼」をスタート|現場発の持続可能な建設経営へ

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近年、「サステナビリティ(持続可能性)」という言葉は建設業界でも頻繁に耳にするようになってきました。環境への配慮や労働環境の改善、地域社会との共生など、企業の社会的責任がますます重視されるなか、大手建設会社の五洋建設株式会社が新たな社内施策として注目を集めています。

同社は2024年9月から、全国の建設現場において「サステナビリティ朝礼」を週に1回実施する取り組みをスタートしました。これは、建設業界の現場単位でサステナビリティの意識と具体的行動を浸透させることを目的としています。


「サステナビリティ朝礼」とは?

この取り組みでは、全国の現場で行われる通常の朝礼に加えて、毎週1回、現場責任者や担当者がサステナビリティに関する内容を紹介します。取り上げる内容は「人権の尊重」「環境配慮」「安全な労働環境」など、多岐にわたります。

たとえば、「現場でのゴミ分別の徹底」や「建設資材のリサイクル率の向上」、「作業員が働きやすい職場づくりに向けた制度改善」など、実際の現場で実践できる具体的な内容が紹介されることで、より身近な問題として捉えられるようになっています。


月ごとのテーマと資料提供も

五洋建設では、サステナビリティを構成する8つの重要な課題(マテリアリティ)をベースに、毎月ひとつのテーマを設定しています。以下のようなテーマが順次取り上げられます:

  • 気候変動への対応
  • 環境保全
  • 技術力の強化(DX・GX推進)
  • ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
  • 持続可能なサプライチェーンの構築
  • 労働安全衛生
  • ガバナンス強化
  • 社会インフラの品質向上 など

これらのテーマに対して、社内事務局が4つの事例ポスターと説明資料を作成し、全国の現場に提供。ポスターは朝礼看板に掲示され、誰でも見られるように工夫されています。


海外にも広がるサステナビリティ意識

国内だけでなく、海外現場でもサステナビリティ推進の動きが進んでいます。たとえば、シンガポールでは現場ごとの取り組みを評価・表彰する「サステナビリティ・アワード」が始まりました。

この表彰制度では、「環境への具体的配慮」「地域社会との連携活動」「DXによる業務効率化」などの点で優れた現場が評価され、2024年12月には現地で表彰式が行われました。

今後、日本国内でも同様のアワードを2025年から展開予定とのこと。現場ごとに工夫して取り組む姿勢を後押しする仕組みが、ますます広がっていく見通しです。


社長の想い「現場からの変革こそ持続可能な企業づくりの第一歩」

五洋建設の清水琢三社長は、「サステナビリティは本社主導だけではなく、現場から自発的に取り組んでこそ意味がある」と話しています。

「何が大切で、自分たちに何ができるかを一人ひとりが考えることで、より良い職場環境や誠実な企業活動が生まれる。それが企業の持続可能な成長にもつながる」と、社員に期待を寄せています。


まとめ:建設業界でも「サステナビリティ」は必須のキーワード

今回の五洋建設の取り組みは、「建設 最近」「建設 ニュース」などのキーワードで注目されている業界全体のトレンドを象徴するものといえるでしょう。

これからの建設業界では、単なる施工技術の高さだけではなく、社会や環境との関係性をどう築くかが問われる時代です。五洋建設のように、現場から持続可能な行動を根付かせようとする取り組みは、今後さらに多くの企業にも広がっていくことが期待されます。

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