群馬県の上野村(村長:黒澤八郎)は、2025年度の当初予算案を公表しました。今回の予算では、庁舎等複合施設の建設や脱炭素社会を見据えた再生可能エネルギー推進事業など、建設関連の大型事業に重点を置いています。
特に注目されるのは、村役場庁舎などを含む「庁舎等複合施設建設事業」。本年度はその実施設計に向けた委託料として2,200万円を確保し、さらに本体工事の準備として3,300万円の工事費も計上。2025年度中に設計業務を進め、次年度以降の本格着工を見据えた動きとなっています。
また、近年注目される「脱炭素・再エネ推進事業」にも大きな予算が割かれています。総額5億9,641万円を計上し、その内訳は調査業務・設計委託料に1,571万4,000円、工事費に5億906万6,000円。これには、公共施設への太陽光発電設備や、V2H(Vehicle to Home)設備、木質バイオマスストーブの設置などが含まれています。
たとえば、太陽光発電に関する予算としては、事前調査委託料に231万円、詳細設計に600万円が配分されています。こうした計画により、地域のエネルギー自給率の向上やCO2削減への貢献が期待されています。
一般会計は43億円超、建設事業費も大幅増
2025年度の上野村の一般会計予算総額は43億1,000万円。これは前年度比で2億2,700万円(5.6%)の増加となっています。
この中でも、普通建設事業費は16億3,550万3,000円となり、前年より2億3,181万8,000円(16.5%)増と大幅な拡充が図られました。建設業界関係者にとっても注目の内容です。
村道整備や橋梁補修も強化
道路インフラ整備としては、村道上野2-8号線や村道上野2206号線などの道路新設・改良工事費として1億300万円を配分。老朽化が進む道路の改修により、安全性と利便性の向上が見込まれます。
また、橋梁の補修に向けた測量や設計・積算委託料としても2,638万1,000円が盛り込まれており、地域の基盤整備にも力を入れている様子がうかがえます。
建設関連のその他事業も多数
このほか、建設関連の事業としては以下のような予算も計上されています。
- 公営企業振興費(工事費):2,861万8,000円
- 観光施設整備費(工事費):3,610万円
- 防災無線管理費(工事費):2億8,346万9,000円
とくに防災無線の整備は、自然災害への備えとして重要性が高まっており、村民の安全確保に直結する事業として期待されています。
群馬県内の建設業界にとって追い風に
このように、上野村の2025年度当初予算では、建設業に関連する予算が多く計上されているのが特徴です。庁舎建設・インフラ整備・再エネ設備導入と、村の未来を見据えた取り組みが進められようとしています。
今後の入札や工事発注の動向にも注目が集まることは間違いなく、群馬県の建設業界関係者にとっても注視すべきニュースとなっています。