インフロニア・ホールディングス(HD)とアクセンチュアは、2025年4月1日、新たに共同出資会社「インフロニアストラテジーアンドイノベーション」を設立しました。この新会社は、建設業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、インフラ管理の分野で培ったノウハウやデータを活用して、地方創生支援を行うことを目的としています。
新会社の設立背景と目的
インフロニアHDの岐部一誠社長は、日刊建設工業新聞の取材に応じ、アクセンチュアとのシナジー(相乗効果)を一段と高め、これまでのインフラ管理や運営のやり方を見直して、より最適な形に再構築する意向を示しました。これにより、さまざまな課題を解決し、地域社会に貢献できる企業価値の向上を目指します。
新会社の出資比率は、インフロニアHDが81%、アクセンチュアが19%。社員数は約100人で、前田建設で情報システムや経営企画を担当していたメンバーや、アクセンチュアで業務改革やITを手掛けていた人材が集まっています。社長は岐部氏が兼任しています。
新会社が目指す建設業のDX化
新会社は、データドリブン経営を強化し、AIや先端技術を活用して、建設業界におけるマネジメントの改革に取り組みます。特に、AIを活用することで、従来の人間による予測や分析を超えた高度な予測を行い、建設現場の原価管理や意思決定プロセスの効率化を目指しています。
AI活用でマネジメントを「ルールチェンジ」
建設業界では、まだ多くの部分でアナログな要素が残っています。特に、現場での原価管理や意思決定のプロセスが手作業で行われている場面が多いです。新会社では、これらのプロセスを「ルールチェンジ」し、データやAIを使って効率化を進めることに注力しています。営業、設計、調達、施工の各分野のデータを連携し、可視化することで、最適な人員配置やコスト管理を実現しようとしています。
具体的な取り組みと今後の展望
新会社は、まず建設事業のDX化に注力し、AI技術を使った業務の効率化に取り組みます。例えば、愛知県の有料道路や神奈川県三浦市の下水道事業で、インフロニアHDとアクセンチュアは、資産管理ソフトウェアや光熱費削減ソリューションを導入し、予防保全の効率化を実現しています。
さらに、インフラ老朽化問題に対応するため、全国の自治体からの問い合わせが増えていることから、アクセンチュアとの協力により、地方自治体のインフラ老朽化対策や維持コストの削減にも積極的に取り組む予定です。
地域建設業への展開
将来的には、地域建設業のマネジメント支援にも着手し、地域ごとの特性に合わせた最適なDX戦略を提案していく方針です。新会社のシンクタンク機能を活かし、グローバルなネットワークを活用して、より良い社会の創出に貢献することを目指します。
まとめ
インフロニアHDとアクセンチュアが共同設立した新会社「インフロニアストラテジーアンドイノベーション」は、建設業のDX化を進めることで、インフラ管理の効率化と地方創生を支援しています。データやAIを駆使して、従来のやり方を見直し、より最適な方法に進化させていくことで、業界の課題解決に貢献していくでしょう。