群馬県吾妻郡長野原町は、2025年度の当初予算案を発表しました。今回の予算では、町内の建設・改修工事に関わる多くの取り組みが盛り込まれており、地域の暮らしや教育環境、公共施設の機能向上を目指した施策が進められます。
特に注目されているのは、旧北軽井沢小学校の改修工事と、総合運動場における照明設備のLED化工事です。
■ 旧北軽井沢小学校を新たな教育施設へ|約9,500万円を改修費として計上
2023年度末で閉校となった「旧北軽井沢小学校」(長野原町北軽井沢1924)が、新たな教育施設として生まれ変わります。施設の利活用を目的に実施された公募型プロポーザルにより、事業者として選ばれたのは神奈川県相模原市の「エデューレエルシーエー」。2026年4月に「きたかる森のインター(仮称)」として開校予定です。
2025年度は、その準備段階として主に以下の改修工事が行われます。
- トイレなどの水回り設備の更新
- 教室内の壁紙の張り替えなどの内装改修
校舎の概要は以下の通りです。
- 【第1校舎】1989年竣工、鉄筋コンクリート造2階建て、延床面積1997㎡。併設する図書室は鉄骨造。
- 【第2校舎】1997年建設、鉄筋コンクリート造2階建て、延床面積253㎡。
地域の教育資源を有効に活用する取り組みとして、地元住民からも期待が寄せられています。
■ 総合運動場の照明設備をLED化|環境にやさしく、電力コストも削減へ
長野原町総合運動場(与喜屋292ほか)では、屋外照明設備のLED化工事が進められます。こちらには約7,000万円が予算計上されており、対象となる施設は以下のとおりです。
- 野球場(照明6基)
- テニスコート(照明4基)
既存の高圧受電設備(キュービクル)を、より省エネかつ維持コストの安い低電圧設備へと切り替え、全ての照明をLEDに置き換えます。これにより、夜間利用の際の明るさと安全性が向上するだけでなく、長期的には電力使用量の削減によるコストカットも見込まれています。
■ 教育関連の施設改修にも5,100万円|地域の学びの環境整備を推進
上記のほか、町内の複数の学校施設における修繕・改修工事費として、5,100万円が盛り込まれました。これには老朽化した施設の補修や、子どもたちが安心して学べる環境整備が含まれています。
■ 道路や旧診療所の整備も進行|町のインフラ整備が加速
建設関連の予算には以下のような事業も盛り込まれています。
- 道路維持補修工事費:5,800万円
⇒ 道路の舗装やガードレールの補修など、住民の安全確保に直結する整備が進められます。 - 町道維持管理業務委託料:5,018万9,000円
⇒ 除雪、清掃、道路草刈りなど、日常的な維持管理を委託して安定運用を目指します。 - 旧へき地診療所解体工事費:2,090万円
⇒ 長年使われていなかった診療所の老朽化に伴い、土地の有効活用に向けた解体工事が行われます。
■ 2025年度予算の全体像|一般会計は過去最高の53億円超に
長野原町の2025年度一般会計総額は53億3,000万2,000円となり、前年度比で約9.8%の増加となりました。工事請負費全体としては4億9,822万円が計上されていますが、こちらは前年度比で約20%の減額となっています。
地域の未来を支えるための建設・整備事業が多く盛り込まれた今回の予算。群馬県内におけるまちづくりやインフラ整備の最新動向として、今後の動きにも注目が集まります。