【群馬 建設ニュース】角田所長インタビュー|伊勢崎地域の防災と未来を支える取り組み

群馬 建設ニュース

群馬県の伊勢崎市を管轄する伊勢崎土木事務所で所長を務める角田所長に、これまでの経験や今後の取り組みについて話を伺いました。伊勢崎地域の建設・防災に対する熱い想いが伝わってくる内容となっています。

東日本大震災で実感した自然災害の脅威

角田所長は、2010年度から伊勢崎土木事務所に主幹として所属し、今回が2度目の赴任となります。
2011年3月に発生した東日本大震災の際、角田所長は県庁で会議に出席していました。その時、伊勢崎土木管内にある五料橋が被災したとの一報が入り、すぐに県庁から事務所へ戻り、現場状況の把握にあたったと振り返ります。
「幸い、五料橋による人的被害はありませんでしたが、自然災害の恐ろしさを身に染みて感じました」と語るその表情は、当時の緊迫感を今も伝えています。

河川の多い伊勢崎地域、水害対策に注力

角田所長は、これまで河川課水害対策室長を務めたほか、国土交通省水管理国土保全局防災課災害査定官としても活躍した経験を持ちます。
伊勢崎地域には利根川をはじめとした大きな河川が流れており、「山間部の土砂災害こそ少ないが、水害への備えは常に必要」と強調します。

具体的な取り組み例として、堤防の強化や排水ポンプ場の整備などが挙げられます。特に、近年は気候変動の影響でゲリラ豪雨が増え、想定外の水害が起きやすくなっているため、群馬県内でも河川対策の重要性が高まっています。

北部環状線バイパス整備で地域活性化へ

群馬県が進める新たな県土整備プランでは、2029年度までに着手予定の都市計画道路「北部環状線バイパス」整備事業が大きな柱の一つです。
このバイパスが完成すれば、伊勢崎市内の交通渋滞の緩和だけでなく、周辺エリアへのアクセス向上や地域経済の活性化にもつながると期待されています。

角田所長は、「伊勢崎地域のさらなる魅力向上に欠かせない事業。着実に準備を進め、早期着手を目指したい」と意気込みを語りました。

国交省で得た災害査定の経験

2020〜2021年度には、コロナ禍のなかで国交省防災課に派遣され、災害査定官として活動しました。
それまで申請する立場だった角田所長は、申請を受ける側へと役割が変わり、「申請者と査定者、どちらにとっても良い結果となるよう、丁寧に対応することを心がけた」と振り返ります。

また、災害対応に必須の「災害手帳」も、自ら情報を追加していった結果、元の2倍近い厚さに膨れ上がったエピソードも披露。「必要な情報を充実させた結果ですが、資料が分厚くなりすぎて笑ってしまいました」と苦笑交じりに語っていました。

若手職員へのメッセージ

若手職員に対しては、「責任感を持って取り組むのは素晴らしいが、抱え込みすぎず、困ったら必ず周りに相談してほしい」とメッセージを送ります。
さらに、「県土整備部は仲間同士で支え合える環境。周りを頼ることも大事にしてほしい」と温かい言葉を添えました。

災害対策は「被害ゼロは難しいが最小限に」

近年、雨の降り方が大きく変わり、毎年のように全国各地で水害が発生しています。
角田所長は、「公共事業は防災・減災のために欠かせないが、被害をゼロにすることは難しい」と現実的な視点を示したうえで、「ハード整備だけでなく、避難情報の周知などソフト対策も組み合わせ、被害をできるだけ小さく抑える努力が必要だ」と語ります。

地元建設業界への期待

地元建設業者への期待については、「県土整備プランに『災害対応組織力の維持』が盛り込まれた。
災害時、特に初動対応では、地域の状況を知り尽くしている地元業者の力が不可欠」と述べ、「地域発展のためにも引き続き力を貸してほしい」と呼びかけました。

群馬県内の建設業界にとっても、地元の未来を支える大きなミッションが託されています。

趣味は「将棋観戦」 羽生九段を応援

プライベートでは、将棋観戦が趣味という角田所長。小学生の頃からNHK将棋トーナメントを欠かさず観ており、「少年時代は野球をやっていたため、試合と重なって将棋中継を見られないことがつらかった」と笑顔で話してくれました。

長年、羽生善治九段のファンで、「羽生マジックが炸裂する瞬間に期待するのがファンになったきっかけ」とのこと。最近は羽生九段がB級2組に陥落してしまいましたが、「必ず巻き返してくれると信じて応援しています」とエールを送っていました。

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