群馬県桐生市で、新たな工業団地の造成計画が進んでいます。2025年度から着手されるこのプロジェクトは、地元経済の活性化と新たな雇用創出を目指す取り組みとして注目を集めています。
桐生市が新たな産業拠点の造成を発表
2025年4月21日、桐生市は記者会見を開き、新里町武井地区に「桐生武井東工業団地(仮称)」を新たに開発する計画を発表しました。この事業は、群馬県企業局が主体となり進められるもので、同年3月21日には事業化が正式に決定しています。
新団地は、開発面積が約7.9ヘクタール、分譲面積が約6.9ヘクタールを予定しており、総事業費はおよそ12億3,500万円にのぼります。
まずは2025年度中に県企業局が用地を買収し、その後、測量設計へと進みます。造成工事の開始は2026年度を予定しており、完成は2027年度末を目指しています。
市長「工業団地完売の声に応えて」
記者会見で荒木恵司市長は、次のように語りました。
「市内の既存工業団地はすでに完売しており、新たな立地を望む声が多く寄せられていました。県との調整が整ったことで、今回の発表に至りました。」
近年、桐生市内では工業団地の完売が相次ぎ、特に製造業や物流業界から新規用地へのニーズが高まっていました。今回の新団地造成は、こうした企業の要望に応える形で計画されたものです。
立地条件も好アクセス
桐生武井東工業団地が造成される場所は、既存の桐生武井西工業団地の東側。交通アクセスも良好で、北関東自動車道・伊勢崎ICから北へ約7.5km、また国道50号線からも約4.1kmと、県内外へのスムーズな移動が可能です。
これにより、物流拠点としてのポテンシャルも高く、多くの企業にとって魅力的な立地となることが期待されています。
分譲は4~6区画を想定、進出企業は今後募集へ
造成が完了した後、分譲開始は2028年度中を目指しています。現時点では、4区画から6区画に分けて販売する計画となっており、進出企業については今後の募集・選定によって決まります。
桐生市、群馬県企業局、そして桐生市土地開発公社の三者は、2025年4月18日に「桐生武井東工業団地造成事業に関する協定書」を締結し、今後一体となって事業を進めていく方針です。
参考:武井西工業団地の成功事例
なお、桐生武井東工業団地のすぐ隣に位置する「桐生武井西工業団地」は、2022年1月に全区画完売を達成しています。こちらは総面積14.4ヘクタール、分譲面積約11ヘクタールという規模で、2016年度に造成工事がスタートしました。
工事は、地元企業である三興エンジニアリング(桐生市)と大川建設(桐生市)が受注し、測量設計は高崎市の高崎測量が担当。地元企業が多く関わった成功例としても知られています。
今回の桐生武井東工業団地でも、地域の建設業界を中心に大きな動きが期待されています。