群馬県農村整備課は、「農業農村整備計画2020(ぐんま水土里保全整備プラン)」に基づく2025年度の実施計画を発表しました。
今年度は当初予算として75億7,600万円を確保し、群馬県内各地で農業・農村の基盤づくりに取り組みます。
この記事では、群馬県が進める2025年度の基本施策について、具体的な地域名や取り組み内容を交えながら、わかりやすくご紹介します。
農業農村整備計画2020とは?
「農業農村整備計画2020」は、群馬県農村整備課における最上位の整備計画です。
豊かで成長を続ける、安全・安心な農業と農村づくりを目指し、以下の5つの柱を中心に事業を推進しています。
- 地域資源を活かした中山間地域の振興
- 農業の収益性向上を図る生産基盤整備
- 持続的な農業用水の安定供給
- 安全・安心な農村づくり
- 魅力ある農村の構築
2025年度はこの計画の最終年度にあたり、26年度からは新たな計画がスタートする予定です。
2025年度の主な取り組み
地域資源を活かした中山間地域の振興
中山間地域である下仁田町の【上馬山地区】では、町と連携して農業用水路などの改修を進め、地域活性化を目指す「中山間元気創生基盤整備構想」を作成します。
また、高山村の【原第2地区】では、有機農業に適した農地整備を目指す「有機農業実践農地整備構想」を策定予定。
いずれも群馬県が主体となり、地域と一体になった取り組みを進めます。
農業の収益性向上を図る生産基盤整備
農地の区画整理や施設整備を、以下13地区で実施します。
- 境小此木東部(伊勢崎市)
- 笠張(渋川市)
- 保美(藤岡市)
- 吉田(富岡市)
- 仙之入、干俣、田代湯尻、大横川(いずれも嬬恋村)
- 原(高山村)
- 牛の平(片品村)
- 緑町(太田市)
- 五箇谷(板倉町)
- 城沼水路(館林市・板倉町)
- 野辺(館林市・千代田町・明和町)
さらに、【榛名西麓2期地区】(東吾妻町)、【大笹地区】(嬬恋村)、【嬬恋西部地区】(嬬恋村)では、農道の路面補修を合計3900m実施予定です。
【小林地区】(藤岡市)や【干俣2期地区】(嬬恋村)では、地域の要望に応えた細やかな基盤整備も行います。
また、スマート農業を支えるため、前橋南部地域、館林地域、富岡地域では、自動給水栓の導入に向けた検討を進めています。
例えば、センサーで水位を自動調整する仕組みなど、先端技術の導入が期待されています。
持続的な農業用水の安定供給
【金丸地区】(前橋市)では、用水施設の長寿命化に向けた詳細設計に着手。
さらに【大正用水3期地区】(前橋市・伊勢崎市)や【佐波新田用水第2】(伊勢崎市・太田市)など6地区では、老朽化した水路の長寿命化対策や弁類の更新工事(約1300m)を行います。
水不足リスクの低減や、安定した農業用水の供給につながる重要な取り組みです。
安全・安心な農村づくり
【権現上・権現下地区】(みなかみ町)や【滝之入上溜池】(太田市)では、豪雨や地震に備えた施設設計を進めます。
さらに、【牛秣貯水池】(藤岡市)、【西長岡ため池】(太田市)では地震対策工事、【和見堤】(みなかみ町)や【長手第1溜池】(太田市)では豪雨対策工事を実施。
【天水ため池】(高崎市)では、豪雨・地震の両方に対応する工事が行われます。
また、【富士見地区】(前橋市)など7地区では、老朽化した石綿セメント管(約3300m)を撤去し、安全性を高める工事を実施。
【河振地区】(甘楽町)では地すべり対策、【藪塚西部地区】(太田市)では排水路・調整池の整備、【押切境地区】(太田市)では排水機場の長寿命化工事に着手します。
魅力ある農村の構築
農業集落排水施設については、【前橋東部地区】、【荒砥北部地区】、【新屋地区】(いずれも前橋市)で改築・更新の支援を実施。
さらに【前橋東部2地区】(前橋市)、【楽間行力地区】(高崎市)、【昭和南地区】(昭和村)では事業計画や施設診断を行い、将来的な施設更新を計画的に進めます。
【赤堀曲沢地区】【赤堀香林地区】(いずれも伊勢崎市)、【中江田地区】(太田市)では、持続可能な施設運営と効率的な維持管理のため、維持管理適正化計画の策定支援を行います。
まとめ
群馬県は2025年度、農業と農村の未来を支えるため、75億円を超える予算を投じてさまざまな整備事業を推進します。
地域ごとに特色ある取り組みが計画されており、農業の持続性と地域の活性化が期待されます。
今後も群馬県内の建設・農村整備ニュースについて、随時お届けしていきます!