【建設ニュース|東京都江戸川区】南小岩七丁目地区で再開発が本格化へ——再開発ビルは高さ160m、25年度中の組合設立を目指す

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東京都江戸川区のJR総武線「小岩駅」南口エリアで、再開発事業が本格的に動き出しています。対象となっているのは、駅からほど近い「南小岩七丁目駅前地区」。現在、このエリアでは「南小岩七丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」と呼ばれる大型のまちづくり計画が進行中です。

この再開発計画では、約1.5ヘクタール(東京ドームおよそ3分の1ほど)の広さに、延べ床面積約15万5000平方メートルの再開発ビルを建設する予定です。ビルの高さはおよそ160メートルとされており、江戸川区内ではひときわ目立つ高層ビルとなりそうです。

建物の中には、商業施設や住宅のほか、子育て支援施設や公共施設、駐車場なども整備される計画です。単なる建物の再配置ではなく、「安全な歩行空間」や「地域ににぎわいをもたらす市街地形成」も目指しており、駅前の利便性と暮らしやすさの両立が重視されています。

また、この再開発事業は、並行して進められている「南小岩七丁目土地区画整理事業」と一体的に施行されるのが特徴です。江戸川区では、2024年4月1日に再開発区域の名称(地番)を公告しており、再開発の準備組合は2025年度中の本組合設立を目指しています。

再開発の背景と構成——4つの街区に分けた街づくり

再開発と同時に進行している区画整理事業では、約4.9ヘクタールの事業区域を4つの街区に分けて開発が行われています。2024年5月からは、すでに造成工事が始まっており、宅地造成や道路整備などが進行中です。

それぞれの街区には以下のような役割が設けられています:

  • 駅前共同化街区:再開発ビルが建設されるメインエリア
  • 個別利用街区A:地元商店などが引き続き営業できるよう個別に土地を利用
  • 個別利用街区B:火災に強い構造の住宅と店舗を一体にした建物を配置し、防災性を向上
  • 立体換地街区:小規模な集合建築物を整備し、多様な土地利用を可能に

このように多様な街区構成にすることで、地域の特性やニーズに合った柔軟な都市開発が実現されようとしています。

大手企業も参画、総事業費は172億円

この再開発には大手デベロッパーや建設会社も事業協力者として参加しています。参画しているのは、日鉄興和不動産住友商事長谷工コーポレーションといった業界でも有力な企業たちです。これにより、設計や施工、商業施設の誘致などにも安心感があるプロジェクトといえるでしょう。

また、江戸川区は2024年12月に「立体換地街区」と「市街地再開発事業区」の換地計画認可を取得しており、今後さらに事業の具体化が進んでいくことが期待されます。

なお、事業全体の総事業費は約172億円と見込まれており、インフラ工事や建設スケジュールの調整が済んだ段階で、本格的な工期が決定される見込みです。

地域の未来を形づくる注目の再開発

近年、駅前再開発は全国的にも注目されるトピックの一つとなっていますが、この南小岩の再開発も例外ではありません。高齢化や老朽化した建物の課題を抱える地域では、再開発によって新たなライフスタイルや人の流れを生み出すことが期待されています。

南小岩七丁目のプロジェクトは、地域住民の暮らしを守りながら、新しい都市空間を創出する試みとして、今後も大きな関心を集めることになりそうです。

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