東京都千代田区で、注目の大型再開発計画が動き出しました。
老朽化が進む「千代田区立スポーツセンター」と「東京都千代田合同庁舎」の2施設を一体的に建て替えるという内容で、延べ面積約4万8000㎡にもなる大規模なプロジェクトです。
この再開発では、スポーツと行政の機能を1つの建物に集約し、利便性や防災力の強化、地域のにぎわい創出などを目指します。建設業界にとっても、今後の動向が注目されるプロジェクトといえるでしょう。
建設場所は東京・千代田区、神田エリア
対象となるのは、千代田区内神田にある次の2施設です。
- 千代田区立スポーツセンター(内神田2-1-8)
- 東京都千代田合同庁舎(内神田1-1-6)
両施設は日本橋川沿いに位置しており、合計の敷地面積は約6055㎡。この土地に、最大で**延べ面積4万8440㎡**の新しい複合施設を建設できる計画です。
施設の特徴と再開発の目的
老朽化した2施設を一体的に再整備
- スポーツセンターは1972年に完成、構造はSRC造地下1階・地上8階建てで、延べ面積は約1万1853㎡。プールや剣道場、相撲場、弓道場など多彩なスポーツ設備を備えています。
- 合同庁舎は1975年竣工、地下1階・地上8階建てで延べ約1万1720㎡。都税事務所や水道局営業所などが入居。
どちらの建物も築50年以上が経過しており、耐震性やバリアフリー性など、現代の施設としては課題が多いのが現状です。
新施設に期待される効果
- 区民サービスの向上:スポーツ機能と行政サービスを1か所に集約し、利便性を向上。
- 防災拠点としての機能強化:災害時の避難所や情報提供拠点としても活用可能。
- イベント空間の創出:建物の再配置により、広場や空地を確保。地域イベントやマルシェ開催も視野に。
- 建設スケールによるコスト抑制:一体開発により、建設コストや維持管理費の削減が期待されます。
事業方式は3パターンを検討中
建設の進め方として、以下の3つの方式が想定されています。
- 従来方式(設計→施工→運営)
- DBO方式(設計・建設・運営を一括で事業者に委託)
- PFI方式(民間資金とノウハウを活用)
2025年度に策定される「基本計画」で正式な方式が決定される予定です。
工期の想定スケジュール
- 従来方式:
1年目…基本設計、2年目…実施設計、3年目…既存建物解体、4~7年目…新築工事 - DBO・PFI方式:
1~2年目…事業者の公募と選定、3~7年目…解体・建設工事
事業の開始から完了までは、おおよそ7年程度が見込まれています。
まとめ:千代田区の未来を形づくる建設計画
このプロジェクトは、東京都心である千代田区において、スポーツ・行政・防災・地域活性の4つの要素を融合させた先進的なまちづくり事例となる可能性があります。
建設業界にとっても、官民連携やPFIなどの方式が選ばれるかどうかが注目ポイント。今後の入札・設計競争なども含め、最新情報から目が離せません。