兵庫県加古川市は、市内最大規模の総合公園「日岡山公園」の再整備を進めるため、Park-PFI制度とDB(設計・施工一括)方式を組み合わせた事業者の再公募を開始しました。この公募は、地域のにぎわい創出を目的とした大規模プロジェクトであり、公園整備、施設運営、そして維持管理までを担う事業者グループを募る内容となっています。
日岡山公園とは?
加古川市加古川町大野に位置する日岡山公園(約36.3ヘクタール)は、地元住民の憩いの場として親しまれてきた大型公園です。今回はその南側の約3.2ヘクタールが「第1期整備エリア」として対象となっており、さまざまな施設が新たに整備される計画です。
公園整備の概要と採用される方式について
今回の事業では、以下の3つの制度・方式が活用されます。
① Park-PFI(パーク・ピーエフアイ)制度とは?
公募設置管理制度(Park-PFI)は、民間企業が公園内に飲食店や物販施設などの収益施設を整備・運営しながら、その利益を活かして公園の公共施設も整備するしくみです。
加古川市はこの制度を活用して、飲食施設や物販施設、大屋根、情報提供用の広告塔などの施設整備を予定しています。
- 市が負担する「特定公園施設」の整備費:最大6,900万円(税抜)
② DB(デザイン・ビルド)方式とは?
設計と施工を一括で行う方式で、効率的かつ柔軟な整備が可能になります。今回の事業では以下のような施設が対象となっています。
- 大芝生広場
- 園路や広場
- 遊具エリア
- 公園の入り口(エントランス)
- サービスセンターなど
これらの施設整備に対して、市が負担する上限額は15億4,500万円(税抜)となっています。
③ 指定管理制度による運営
完成後の施設については、指定管理者制度により長期的に維持管理と運営が行われます。期間は20年間を想定しており、提案可能な指定管理料の上限は25億4,500万円(税抜)とされています。
参加条件とスケジュール
この事業に応募できるのは、以下のような事業者グループです。
- Park-PFI、DB(設計・施工)、指定管理業務の3分野に対応できる共同体(コンソーシアム)
- 指定管理を担う企業が、グループの代表者となる必要があります
具体的な要件
- DB方式に関しては、土木一式工事で総合評定値750点以上の建設企業(単体または2〜3社のJV)と、造園部門または都市計画部門に登録された1級建築士事務所が必要。
- 設計会社は、国や自治体が発注した都市公園の設計実績(2015年度以降)が求められます。
スケジュール(2025年度)
- 4月22日まで:説明会参加申込受付(メールにて)
- 4月24日:事業説明会を開催
- 9月8日~12日:参加表明書などの提出期間
- 10月14日~17日:提案書の受付
- 12月中:プレゼンテーション審査を経て、選定結果を通知
なお、施設の整備と施工は2028年度末までに完了し、2029年4月からの供用開始が目指されています。
地域活性化と民間連携による新しい公園づくり
今回のプロジェクトは、公園の再整備を通じて地域のにぎわいを創出し、持続可能な施設運営体制を築くことが目的です。特にPark-PFI制度の導入により、民間企業のアイデアや資本を活かした魅力的な施設の整備が期待されています。
最近の建設ニュースとしても注目される本プロジェクトは、地域と企業の連携による新しい公園づくりのモデルケースとも言えるでしょう。